NHK 新潟のニュース
新潟放送局2010年3月29日 21時57分更新
授業料滞納で６人卒業できず
県内の私立高校で経済的な理由で授業料などの学費を滞納しているために、卒業できなかった生徒が今年度、６人いることがＮＨＫの取材でわかりました。
依然として厳しい雇用情勢が続いている中、ＮＨＫは県内の１５の私立高校を対象に授業料などの学費を滞納している生徒について、高校や教職員組合を通じて取材しました。
その結果、経済的な理由などで滞納している生徒は、今月の卒業式を迎えた時点で４校で９人にのぼることがわかりました。
このうち６人は学費の滞納を理由に卒業することができず、特に３人については卒業式に参加することも認められなかったということです。
これらの高校では学費を納入した時点で、卒業を認めることにしていますが、「学校としても残念だが、私立である以上、学費は納めてもらわないといけないので、やむをえない措置だった」と話しています。
これについて私学の教育に詳しい上越教育大学大学院の結城忠教授は「授業料の滞納というのは債務不履行の親の問題だ。高卒の資格が今の社会参加の最低限度となっていて、生徒には教育をうける権利が憲法でも保障されている中、生徒の卒業を認めないのは問題だ」と話しています。
