★3月はIPO6社のうち直近のダイト(4577)以外は全て芳しくない。何故だろう。3日上場のアニコム(8715)は、1月中旬から3月初旬まで相場は弱く、投資家心理も冷え込んで地合いの悪さや、キャンバス(4575)同様上場間もなくベンチャーキャピタルのドデカイ売りに投資家は嫌気が差し、株価はズルズルと下落の一途となってしまった。(キャンバスは上場後順調な船出後、確か2日目に60万株以上の買い気配で、ストップ寸前の14時58分頃、一撃ワンショット70万株以上のベンチャー売りを浴び、狼狽売りを誘った経緯がある。)その流れはエスクリ (2196) セルシード (7776) Paltac (8283)と尾を引いてしまった。日銀金融政策決定会合で新型オペによる資金供給額を、現行の10兆円から20兆円に拡大する追加金融緩和を決めたのが17日。Paltacの上場は18日。しかし日経平均は3月5日から既に上昇を始めている。しかし直近のダイトの動きは違う。単に緩和策の影響ならPaltacも上昇している筈。来月頭にいよいよ第一生命が上場される。あくまでも推測ではあるが、第一生命の上場を取り巻く環境を良好にしたい為の、主幹事である野々村の布石ではないのか。だとしたら、第一生命の上場数日後にはダイトのお役御免となる公算が高いのではないか。応募倍率は国内が3倍強、海外が4倍弱だったらしい。上場日の4日1日付で配当の権利が付く事(噂)も、異例ではないだろうか。前回の日記にも記した様に、最大のポイントは主幹事の野々村がどうシナリオを描いているかという事だと思う。第一生命は相互会社の為、上場しても会社には1円たりとも入らない。メリットを享受出来るのは株主となった保険加入者と、一般売り出しで配分を得た株主と、野々村をはじめとした国内の胴元や関連企業、それに海外。総株数1000万株の割り当ては、保険加入者821万人のうち150万人で290万株、残り710万株のうち国内501万株で、安定株主211万株と一般売り出し250万株に、オーバーアロットメント10万株。海外210万株。潜在価値(修正純資産+保有契約価値)が約2.5兆円で株価EV倍率が約0.6倍らしい。4月1日の注文は13時までで、可能値幅は14万円の0.75~2.3倍まで。13時に初値決定後、当日売買は行わない。引け条件付注文及び寄付き条件付注文は禁止らしい。TOPIX参入は5月末の予定で、インデックス想定買い需要600~1000億(既存TOPIX売り需要)。野々村は既に主幹事と言うとてつもないメリットを手に入れている。A.第一生命はTOPIX参入後、時価総額が膨れ上がったところで、出来るだけ既存株主に配慮した形で公募し、富国生命・朝日生命あたりを取り込み後、T&D(8975)をТOBし業界再編後、海外進出を果たそうと考えているのではとの噂も。B.株保有の保険加入者は株価が何倍にも高くなって欲しく、下落なんてもっての外。売るなら高値か、長期保有希望。野々村にしたら、150万人のうち数十パーセントでもこのまま顧客でいて、他商品の売買による売り上げ増効果を期待C.新規配分株主もBに近いD.国内安定株主は長期保有で、出来れば上昇のみ、最悪でも中長期で高ければ良し。E.海外の得体は知れないが、恐らくBかDと同じではないか。F.野々村のA~Eの配慮優先順位は恐らく、A>B>C>D>Eで本音はB>A>C>D>Eではないだろうか。恐らくこの難解な連立方程式の落とし所を、社内挙げて緻密に練り上げただろうが、果してシナリオ通りに運ぶ事が出来るのだろうか。野々村の理想から言えば、日本生命や東京海上にも上場させあわよくば主幹事に就いて、世界一の胴元を目指すといったところか。それには第一生命株を上手く操り、「上場するとこんなにメリットが有ります」と無言のアピールをするのではないか。それと150万人の新規株主に対しては、いつまでも売却しないで長期保有だけしていられたら困るので、どこかで利確し他商品の購入を促したい。若しくは含み益で次の購入を促したいところ。まず株価と株数の設定としては、1千万株14万円で時価総額1兆4千億。1億株1.4万円では後に公募や新株発行をする際ある程度高く設定した方が何かと都合がいいし、TOPIX参入するにあたっても好都合ではないか。可能値幅14万円の0.75~2.3倍は、東京海上の時価総額2兆3千億円を意識しての設定だろう。上限の32.2万円となると3兆2千2百億円。板寄せが1日に決まるか、2日に持ち越すのか、決定する株価にもよるが売買出来る初日に売りが出るとすればBとC。Bは平均2株弱しかなく、いきなり売りに出す割合は極めて少数ではないだろうか。保険加入者821万人のうちの150万人で、端株組や現金組とは違い余裕があるだろう。仮に20~32.2万円で寄り付いたとしても、「まだ上がるのでは、配当も出るだろうし様子を見よう」とエラを張るのがBの心理だろう。Cは相場経験者の為、今後の増資懸念を抱いている筈。インデックス買いの株価次第では早期売却もあるのでは。Dは限りなく可能性は低い。上昇すればその期の益金になるので、企業業績に大きくプラスとなる。福利厚生の一環として法人契約で従業員に保険をかけている企業は結構あるのではないか。(私自身も大手勤務時は、銀行屋と保険屋数社の法人担当が、毎日の様に出入りし勧誘をされた。特に保険屋のオバ様(お姉様?)の枕営業を匂わせての勧誘はえげつなく思えた。)Eは得体が知れないがD同様の可能性も。Fにしてみれば、売り出し株式を撒き餌として、優良顧客に配る事が想定される。優良顧客の中には保有株式を売却して資金を手当てするのではなく、新規に資金を入れてくるようなケースも多い。目先狙いで株を動かさない豊富な資金力を持つ顧客に渡ると、上場後の売りも限定される事が期待でき、そこで得た利益は次回の投資へ回るという好循環となり易い。なんてったって野々村様の事、上場時期を4月1日に決定した事も、2~3月の売り需要期を避け、次期決算のもしやの悪影響を受けかねない次期(3月期の決算発表の45日ルールである5月10~14日辺りに集中)まで明るい見通し期間。株数・値決めなども考慮しても、当面売りが出ず上昇の一途に、インデックス需要。それに95円辺りまで下がりそうなドル円。どう考えても5月中旬までは下落要因が見当たらない。問題は公募時期。野々村のシナリオはA・Dと悪巧み、高値での株価操縦をし、これらB・Cでもない第三者に高値掴みをさせた後に公募数百万株ではなかろうか。そうすればB・Cも利確へ向かう株主も出るだろうし、損益が出る訳じゃなく納得出来る許容範囲ではなかろうか。これならA~F全てが丸く収まるのではないか。若しくはライツ・イシューの可能性も。因みに大同生命(現在T&Dホールディングス傘下)が上場した時は初値(32万円)が売り出し価格(27万円)を上回っている。日生の上場があるとすれば、今回と同じ様な好条件下時期を選択して来る可能性が高いのではないだろうか。いずれにしても、公募には十分注意したい。国内人口は減少の一途で、好景気も望めない。無論、買収・業界再編時と海外進出時には再注目されるだろうが、実際第一生命の話題性も長くは続かないと見る。結局は一般投資家が高値を掴まされ、ご臨終とされぬ様心して臨まねばならないだろう。以前実家の母親に応募を勧めたところ「興味無いね」と一蹴された。(以上は1個人の勝手な推測ですので、ご理解下さいませ)