『サヨリ』

 今日から「弥生」。3月1日です。花月(かげつ)、花見月
(はなみづき)、夢見月(ゆめみつき)、桜月(さくらづき)
といった別名もあります。


 ところで、冬から春にかけて水揚げされる「サヨリ」。その
姿形から漢字では「針魚」、「細魚」と書きます。石川県では
春の県魚に指定され、「花見魚」の別名で呼ばれ、京都府でも
春の府魚に指定されています。




 



昔から多くの詩人の歌などにも詠まれ、
  
 ・橋影に 失せてはのぼる サヨリかな   吾 亦紅
  
 ・汁椀に 沈むさよりの 結び文      山本 櫓村
  
 ・サヨリはうすい サヨリはほそい
     銀の魚 サヨリきらりと光れ 
        サヨリお姉様に似ている  北原 白秋

等々があります。

 脂の乗り具合はほどほどで、姿形と同様に味は上品。刺し身が
最も一般的ですが、てんぷらやお吸い物、一夜干しにしても美味。
寿司店では、通好みのネタとして扱われています。










 鮮度が落ちやすく、腹部から痛んでくるため、スーパーなどで
選ぶ際には腹部が銀白色のものを選ぶとよいです。

 ちなみに、お腹の部分を開けると中が真っ黒なため、腹黒い人
のことを「サヨリのような人」 と言う場合があるようです。

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