百貨店売上は依然として力強さに欠ける
<本格回復はまだ先だろう>
百貨店売上の前年割れは縮小傾向にあるとはいえ、回復の力強さに欠ける現状を踏まえれば、さらに上値を追うのは難しいと考える。加えて、(1)11/3期の利益水準は償却負担増などが響き低位に止まる見込み、(2)中計最終年度(12年度)の営業利益目標が200億円以上と低い、などもネガティブ要因として挙げられる。株価は、1倍を下回る実績PBR(09年12月末)が下支えするだろう。しかし、業績の本格回復は早くて12/3期以降となりそうな今の段階で強気の見方に転じるのは時期尚早と考える。
<三越の早期退職応募社員は1,600名>
10/3期3Q累計(4-12月)は、高額品や婦人服などの苦戦が継続し、売上高9,785億円(前年同期比11%減)、営業利益83億円(同58%減)となった。しかしながら、3Q(10-12月)のみの国内百貨店売上高は前年比91.6%となり、中間期の同87.2%に比べマイナス幅が縮小した。最終損益は、構造改革費用(三越の早期退職費用が大半)を計上したことにより、104億円の赤字(前年同期は157億円の黒字)を余儀なくされた。なお、三越の早期退職制度への応募者は三越社員の約4分の1に相当する1,600名だった。
<三越の営業力低下がリスク要因>
1月の既存店は伊勢丹99.2%(閉店セールを行なっている吉祥寺店を除けば95%程度)、三越88.9%と依然として水面下にある。リスク要因は、消費不況の長期化、三越の人員減に伴う営業力の低下、など。(西村 尚純)
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