繊維堅調、炭素繊維に回復の兆し
<株価の緩やかな上昇を予想する>
(1)売上構成比40%程度を占める繊維がコスト低減、自動車用途回復により堅調、(2)炭素繊維に持ち直しの機運、と短期的に本業の回復傾向が鮮明。リチウムイオン二次電池部材セパレータへの参入やボーイング787(以下、B787 )向けの炭素繊維供給期待や水処理膜の展開など中長期の業績拡大も期待できるため、もう一段の株価上昇を予想する。
<通期業績予想を修正>
10/3期3Q累計(4-12月)業績は売上高9,798億円(前年同期比16%減)、経常損失72億円(前年同期は336億円の黒字)。経常損失は3Q(10-12月)に持分法投資損失(パナソニック〔6752〕プラズマディスプレイ向けが主因)を162億円計上したことによる一過性の要因。会社側は通期業績予想を修正し、営業利益250億円→400億円、当期純利益ゼロ→100億円の赤字などとした。営業利益150億円の上方修正の内、繊維は50億円→120億円、炭素繊維複合材料は▲80億円→▲40億円と2セグメントで110億円の改善計画。コスト低減が主因であるが、炭素繊維が会社計画以上に改善していることはポジティブであろう。炭素繊維のB787向けの本格的な収益貢献は12/3期からの予定、セパレータは現在協議中と中長期視点が必要であるが事業の方向性は明確となっており、業績拡大余地は大きいだろう。リスク要因は、炭素繊維の不振が続くこと、原燃料価格の乱高下、為替動向、など。(高橋 俊郎)
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