太陽電池など順調な一方で、通期の最終赤字は拡大する見通し
<3Q決算は強弱入り混じる内容>
10/3期3Q(10-12月)は、売上4,275億円(前年同期比横ばい)、営業利益165億円(同2.4倍)。半導体の在庫見直しによる評価損60億円を計上しており、これを除けば営業利益は2Q(7-9月)比で実質100億円強の増益となる。電化機器で9期ぶり営業黒字転換の確度が高まった他、太陽電池の伸長により電池の営業利益率も4四半期ぶり2桁回復するなど評価できる進捗のある一方、最終赤字は追加リストラや品質対策費用等で500億円に拡大するなど、強弱感入り混じる内容。現在の株価は指標面からの割高感は依然払拭されておらず、当面上値余地に乏しいとの従来見方を維持。
<シナジー発現を加速できるかが鍵>
3Qを分野別で見ると、AV・情報通信機器はカーナビの回復が増益寄与した他、電化機器が構造改革効果や電動アシスト自転車など差別化商品の好調で25億円の黒字に転換(営業利益率5.1%)。二次電池は価格下落が厳しく減収減益ながら、太陽電池は国内が大きく伸び前年並みの利益を確保。昨年12月21日パナソニック(6752)によるTOBが成立。来期以降電池を中心にパナソニックグループの強力な販売力を活用することでシナジー発現を加速できるがポイントとなろう。リスク要因はシナジー実現の遅れ、原材料価格の高騰、競争激化による電池の価格下落の加速、為替など。(服部 隆生)
---------------------------------------------------
コンテンツ提供元 : 株式会社TIW http://www.tiw.jp/
---------------------------------------------------