【帝人】事業構造改革の成果を確認したい …

TIW藤根 靖晃さん
TIW藤根 靖晃さん
事業構造改革の成果を確認したい

<株価の上値を狙うには時期尚早と考える>
株価の下値は限定的だが上値を狙う展開ではないだろう。その理由は、事業構造改革は加速しているが、合成繊維事業は営業赤字継続で、底打ち感が感じられないからだ。合成繊維事業(苦戦が続くポリエステル繊維、足元は需給緩和の炭素繊維など)の事業構造改革の成果を確認したい。

<事業構造改革はほぼ一巡した模様>
10/3期3Q累計(4-12月)業績は、売上高5,602億円(前年同期比24%減)、営業利益113億円(同49%減)、四半期純損失314億円(前年同期は145億円の赤字)。医薬医療は増収増益と好調。しかし、合成繊維の3Q累計営業損失は107億円で、1Q(4-6月)営業損失40億円、2Q(7-9月)同33億円、3Q(10-12月)同34億円と厳しい。会社側は10/3期の当期純損失予想を280億円→340億円と60億円下方修正した。事業構造改革として、インドネシア繊維子会社を譲渡する影響による。
同社は特別損益に異常操業損失(特殊な勘定科目であり操業度、労務費などが基準以外の場合に原価外に計上する際に使用する)を採用しているため、本業の収益が見えにくい。3Qの異常操業損失は炭素繊維、ポリエステル繊維などで11億円までに縮小(3Q累計は93億円)と改善傾向。構造改革の成果が、もう一段確認されるならば、中長期期待の炭素繊維や注力している医薬医療などの成長性が意識されると考える。リスク要因は事業構造改革の動向、原燃料価格の乱高下、為替動向、など。(高橋 俊郎)

---------------------------------------------------
コンテンツ提供元 : 株式会社TIW http://www.tiw.jp/
---------------------------------------------------
関連銘柄
帝人
TIW藤根 靖晃さんのブログ一覧