GMSは依然として厳しいが、コスト構造改革で一定の成果
<ポジティブな投資スタンスは時期尚早と考える>
10/2期3Q(9-11月)はコスト削減に注力した結果、前年同期比営業増益を達成した。TIWでは、この点は評価するものの、依然として同社株を積極的に買う状況にはないと判断する。未だに主力の国内GMS(総合スーパー)に回復感がないからである。同社の先行きは、国内GMS改革(M&Aを軸にした拡大路線の見直し、大型店→小型店など)およびアジアでの小売ビジネスが順調に進むか否かにかかっている。国内消費不況が続くなか、同社はビジネスモデルの転換を図っているところであり、今しばらくは進捗状況を見極めたい。
<3Qのみでは320億円のコストを削減>
10/2期3Q累計(3-11月)は、売上高3兆7,278億円(前年同期比4%減)、営業利益560億円(同15%減)で着地した。純利益は、金融子会社の利息返還損失引当金の積み増し等で100億円近い赤字となった。主力の国内GMSは既存店が93.8%(客数100.5%、客単価93.3%)と厳しい。しかし、国内小売事業を中心に取り組んでいるコスト削減効果により、3Qのみでは営業増益に転換した。
<10/2期最終損益は黒字転換の見通し>
会社側によれば、4Q(12-2月)も3Qと同程度のコスト削減が見込まれる。これに伴い、10/2期は最終損益で50億円前後の黒字に転換する可能性が高まった。続く11/2期も継続的なコスト削減効果が期待できそうだが、消費環境に改善の兆しは見られず、急回復は難しいだろう。リスク要因は既存店の不振継続、GMS改革の遅れ、など。(西村 尚純)
---------------------------------------------------
コンテンツ提供元 : 株式会社TIW http://www.tiw.jp/
---------------------------------------------------