今日の日経平均株価が大きく上昇した背景には、為替の基調変化があると見ています。気になるのは、市場心理のあまりにも急激な変化です。どうも行き過ぎの気配が濃厚になってきました。警戒したいと考えています。
日経平均株価は98円高で寄り付いた後、ほぼザラバを通して上昇を続け、368.73円、3.84%の大幅高で引けました。
対ドル円レートが円安方向に振れたことから、ゴム製品、輸送用機器、精密機器、電気機器、機械など円安メリットセクターがパフォーマンス上位に揃いました。
これらのセクターは、マーケットに対する寄与度が大きい銘柄が多いために、マーケットの急騰を牽引したと見られます。
今週に入って、日経平均株価は10%弱上昇しています。一方、ダウ平均株価は1%程度の伸びにとどまっていますので、日米の株価乖離が急速に縮小しました。
問題はこれからです。果たして日経平均株価の急騰はさらに続くのか? 私は要注意と見ています。
理由は為替です。10月7日に1ドル88.08円まで円が上昇した時に、日経平均株価は9,600円台の前半まで下落しました。今回は、11月27日の1ドル84.82円をピークに、1ドル87.81円まで円が下落してきました。前回のピークと僅か90銭差に近づいています。ところが、株価は9.977円と10月7日のあたりの水準を大幅に上回っています。
今年の夏にはマーケットは10,000円を上回っていました。その時の為替はおよそ1ドル95円台。
ということは、現在の為替レートが90円台半ばで落ち着くメドがないかぎり、すでに10,000円目前となったマーケットを買い進むのはリスクが大きいかもしれないと考えています。
今日のアジア市場は上海を除いて上昇しました。韓国(+1.5%)の上昇が目立ちます。
ユーロッパも堅調です。イタリアが1.3%と大きく上昇しています。
GLOBEXでは、ダウ(+59ドル)、ナスダック(+10.0ポイント)ともに上げています。上げ幅は拡大しつつあります。
今日は、週間の新規失業保険申請件数、7-9月の労働生産性、11月のISM非製造業景況指数などの経済指標の他、11月の小売売上高の発表が予定されています。小売統計は「ブラック・フライデー」を含むため注目度が高いようです。
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