国内セメント需要の減少厳しく、10/3期業績に下振れ懸念
<10/3期の営業利益は、計画を下回ると予想>
株価は08年の安値水準に近づき、実績PBR(09年9月末)も0.43倍と低水準ながら、当面は下値を模索する展開を予想する。民間投資、公共投資とも低迷しており、国内のセメント需要の減少は想定以上で、10/3期の同社の下方修正後の予想営業利益を達成するのが難しいとTIWは予想する。現時点では国内セメント需要が増加に転じる兆候がまだ見えず、政策の後押しがなければ、11/3期も国内セメント需要の減少が続く可能性が大きい。
<2Q累計の利益は従来計画を上回った>
10/3期2Q累計(4-9月)の営業利益は、補修費等の生産コスト削減効果が寄与して従来計画(9月中旬に下方修正)を約8億円上回った。光電子・新材料事業も、中国の家電需要増や、PDP(プラズマディスプレイ)フィルターへの特化と高付加価値品へのシフト効果により、計画を上回っている。2Q累計の営業利益が計画を上回ったものの、10/3期の営業利益の見通しを変えなかったのは、国内セメント需要見通しをさらに100万トン下方修正(4,500万トン→4,400万トン)したことが主要因ながら、足元の状況から見れば4,400万トンも厳しい数値。
(佐藤 謙三)
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