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●冷めてしまったオバマ熱

米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー

●知事選で共和党が勝利

●冷めてしまったオバマ熱

 【ワシントン】バージニア、ニュージャージー両州で知事選が行われたが、こ
の選挙で民主党の穏健派は脅威を感じ、オバマケア(医療保険制度改革法案)の
通過はいっそう困難になるだろう。一方、共和党は復活し、2010年中間選挙に向
けて、資金調達が容易になり、候補者を立てやすくなる。だが、3日に実施され
た知事選の最大の影響はそれにとどまらず、歴史に残るものとなった。08年大統
領選後の政界再編の神話が崩壊したのだ。

 昨年の大統領選後、オバマ大統領の勝利がいかに深く、大きな変革をもたらす
ものであるかについては、これまで何度も聞かされてきた。21世紀版のフランク
リン・ルーズベルトの到来というわけだ。マイノリティー(少数派)と若者が選
挙で存在感を増した結果、共和党は長期間にわたって日の目を見ることはなく
なったというのだ。『保守主義の死』を宣言し、共和党は控えめにみても、深南
部の地方政党になるか、主流から外れ頭にきた白人の残党の集まりにまで没落す
ると予言する本まで出てきた。

 どこまでもばかげた話だ。08年は歴史的に見て異例というべき年だった。かつ
てないほどカリスマ性を備えた候補が出馬し、国民は戦争に心底うんざりしてい
るときだった。おまけに、支持率がどん底まで落ちた共和党の大統領候補と政治
的に無能な対抗馬が対決、ちょうど、大恐慌以来の大金融危機の最中だった。そ
れでも両候補の得票率の差はわずか7ポイントだった。

 ちょうど1年がたち、現実の姿が明らかになってきた。共和党がバージニア州
を取り戻したのだ。同州では08年の選挙で44年ぶりに民主党が勝ち、改革のさき
がけといわれていたが、共和党が見事に返り咲いた。オバマ大統領は同州で6ポ
イントの差をつけたが、知事選では共和党が17ポイント差で勝利、23ポイントに
当たる有権者が乗り換えたことになる。

 何が起きたのだろうか。過大に伝えられていたオバマ氏の改革は終わってし
まった。今年のバージニア州知事選では、黒人票は20%、30歳未満の若者の票は
50%減少した。無党派層は棄権してしまった。08年の選挙でバージニア、ニュー
ジャージー両州の無党派層はオバマ氏支持がわずかに上回った。今年の選挙で
は、バージニア州で33ポイント、ニュージャージー州では30ポイントもの差で共
和党を支持した。

 ホワイトハウスは、バージニア州の民主党は基盤が軟弱だったと言い訳するだ
ろう。ボブ・マクダネル、クレイ・ディーズ両候補の間の得票にこれほどの差が
出たのに、4年前の州検事総長選で両者が事実上のデッドヒートを繰り広げた。
これをどう説明するのだろう。09年知事選でのマクダネル、ディーズ両候補の一
騎打ちは、外部の状況の変化がどのような影響を与えるかを測る実験のようなも
のだった。バージニア州はそのための実験室となった。オバマ政権下で、両候補
が再び激突した。結果は、共和党の地滑り的勝利だった。

 08年のオバマ氏の神通力は消えてしまったのだ。投票者が増え、若者が熱心に
支持したため、民主党にとってまたとないチャンスが訪れ、初めてのアフリカ系
大統領の登場に異常なまでに期待が集まった。

 08年11月の大統領選で起きたことは、一度きりのものであり、再現は不可能
だ。09年11月には改革はどこかに行ってしまっていた。正常な状態に戻ったの
だ。これが、08年選挙が米国の政治史上かつてないほど偶然が重なった結果だっ
たことの証拠だ。

 皮肉なことに今年は、反民主の傾向が異常なまでに高まった。民主党支持の強
いニュージャージー州で12年ぶりに共和党の知事が選出されたことがその一例
だ。民主党は08年の選挙の結果を読み違え、有権者は民主党に任せてくれたと勘
違いした。オバマ氏は米国人の生活を大転換させるという聖なる権限を付与され
たと思った。そして、就任からわずか5週間後に議会で、米国の「新たな基盤」
宣言を行った。これは、米国経済の6分の1を占める医療保険の改革を行い、経
済の生命線であるエネルギーへの政府の規制を強化するものだった。

 昨年11月に新しい時代の幕開けを宣言したオバマ氏だが、今度は得意満面で進
め、歓迎されるはずだった大きな政府、増税、歳出と債務の増加が、有権者から
の大量の手紙や電子メール、FOXニュースの狂ったような攻勢という強い反発
を受けて、ムードは吹き飛んでしまった。

 先月のギャラップの調査では、保守派が2対1の割合(40%と20%)でリベラ
ル派より多く、36%の穏健派をも上回った。そして3日の選挙で、保守の残党が
蜂起した。もともと中道右派の国で、左寄りの政策を急速に進めようとしたのだ
から、当然だろう。しかも、それを支持したのは、08年選挙の盛り上がりで生ま
れた一時的な多数派だった。

 08年の選挙結果を読み誤り、国民の期待をも読み誤ったことが、今選挙で民主
党が敗北した根本的な原因だ。



◇HPリンク◇
Charles Krauthammer | Facebook
http://www.facebook.com/charleskrauthammer
2件のコメントがあります
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    yoc1234さん
    2009/11/21 09:08
    おはようございます。

    支持率が50%を切り、これだけ負け続けると、今度の選挙は危ないでしょうね。

    中間選挙も大事です。
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    アジアさん
    2009/11/22 21:14
    yoc1234さん
    こんばんは
    返事が遅くなりすみません!
    米国もオバマ政権が崩れると
    ますますやばそうな気もしますが・・・・
    2番底論議などあるけど米国株式は強すぎます。
    日本だけこんな悪いのは・・・
    民主党批判もあるけど・・・・・
    コメント辞めときます・・・・
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