先の衆院選挙ではほとんどの選挙区で自民党、民主党が議席を獲得し、他の党は比例区での当選となった。この事実を踏まえ日本でも本格的に二大政党型の政治が始まった。
二大政党型の政治を行う国と言えば米国、英国がまず真っ先に名前が上がる。特に米国では一般市民レベルでも民主党支持者と共和党支持者で分かれている。
政権担当能力を持つ二つの政党による政治は、一方の政党の暴走を他の一方の政党が食い止められるという点で優れている。劇的な政治路線の変革も期待できるだろう。
しかし、二大政党というのは政党が大きくても二つしかないということでもある。二つの政党がいい意味で争って対立している間はいいかもしれないが、悪い意味で妥協するようになるともはや止める者は存在しない。
戦前の日本では帝国陸軍と海軍が実質日本を支配しており、統帥権のもと天皇陛下でも制御ができない組織だった。(陸海軍が立てた作戦案は天皇陛下でも却下できない。承認するのみ)
ある意味陸軍と海軍による二大政党政治だったが、あらゆる面で対立し敗戦するまで協力することはなかった。航空機用の液冷エンジンを研究するためドイツに同じものを別々に発注しヒトラーが「日本の陸軍と海軍は敵同士か?」などと言ったこともあるようです。
そんなバラバラな状態で強大な米国に勝てるはずもなく結局無条件降伏という屈辱的な敗戦を受け入れるしかなりませんでした。
米国の二大政党政治はなんだかオール与党的な側面を垣間見ますが、始まったばかりの日本の二大政党政治はどうなんでしょうか?民主党は必死に自民党との違いを出そうと頑張っているように見えます。この姿勢は充分評価できると思うのですが、この姿勢がなくなったとき日本の政治はどこに向かっていくのでしょうか?その時のためにやはり第3極の政治勢力を残しておいたほうがいいように思います。