木下 晃伸さんのブログ

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株式市場における為替の常識を疑う

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● 【本日のニュース】/米政府「ドル軽視」を警戒
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米政府は政権交代への期待感を示しながらも、水面下では経済政策の転換への懸念を強めている。鳩山代表は米紙への寄稿で「金融危機は基軸通貨ドルの永続性に疑問を投げかけた」との主張を展開した。同じ論文で示した「アジア共通通貨」の創設構想についても、ドルの基軸通貨体制を損ないかねないと懸念する見方が出ている。


(2009/08/31付日経速報ニュースより一部抜粋)


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【ニュースの深層】株式市場における為替の常識を疑う
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。


経済アナリスト、木下晃伸です。



■民主党大勝から一夜明けた8月31日、日経平均株価の動向に注目が集まりました。


寄り付きは一時200円を超える上昇となったものの、開始30分で失速、その後はズルズルと下落、終わってみれば前日比▲41円安となってしまったのです。


下落理由の一つとして市場で騒がれたのが、ドルに対する「円高」。


円高は、輸出型企業の収益に打撃を与えます。そのため、為替の影響を受けやすい製造業が主力である日本株は下落した、ということになるでしょう。



■では、円高はそもそも株価下落要因になっているのか。当たり前のように説明される言葉も素直に信用してはいけません。


実際、為替の円高傾向と株価に関しては、連動していないという姿が浮かびあがります。


※円相場(ゴールデンチャート社より)

http://www.opticast.co.jp/cgi-bin/tm/chart.cgi?code=0321


為替が円安傾向にあった2月から3月は、株式市場は大変な下落となった1ヶ月ですし、一方で、4月以降の急速な円高局面は、歴史的な株価暴騰となったタイミングに当たります。


もちろん、円安になっても製造業の株価は下落していましたし、円高になっている局面では、暴騰しています。



■為替はたしかに日本株に影響を与えます。しかし、それはあくまでも平時において。


まだまだ異常事態が続いているという現実の中で、為替を従来の株式投資における常識に当てはめて考えると、これからの株式市場の行方を見誤ってしまう可能性が出てきてしまうと考えています。


(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)
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