木下 晃伸さんのブログ

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マクロ経済にどうコミットしていくかに注目

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● 【本日のニュース】/民主党大勝、政権交代実現
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政権選択が争点となった第45回衆院選は30日投票、即日開票された。民主党の獲得議席は定数480のうち308に達する圧勝で、政権交代を果たすことになった。民主党の鳩山由紀夫代表は9月中旬に召集を予定する特別国会での首相指名選挙で首相に選出され、社民、国民新両党との連立政権を発足させる。自民党は1955年の結党以来、初めて第1党の座を明け渡す歴史的敗北を喫した。


(2009/08/31付日経速報ニュースより一部抜粋)


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【ニュースの深層】マクロ経済にどうコミットしていくかに注目
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。


経済アナリスト、木下晃伸です。



■すでに過熱する報道からもご存知のように、民主党が大躍進を遂げる衆院選挙となりました。


民主党が過半を握ることは想定されていた訳ですが、これほど自民党の大物議員が落ちることは、民主党の躍進以上に、国民の“圧勝”を期待する雰囲気に少し怖さを感じるほどでした。



■実際、自民党は小渕優子少子化担当相、石破茂農相らが小選挙区で早々に当選を決めましたが、閣僚経験者や派閥領袖クラスの大物が軒並み強い逆風にさらされてしまいました。


また、政権与党を担った公明党は、太田昭宏代表や北側一雄幹事長、冬柴鉄三前幹事長ら党独自候補が全滅する歴史的大敗となっています。


現実の世界において混沌とした生活を送っている有権者が、政治の世界に“圧勝”を持ち込み、気分をスッキリさせている様がうかがい知れます。



■たしかに、ここ最近の自民党の経済政策は、評価としてけなされるものではありませんでした。事実、自民党としても政策論争に持ち込みたかった。


しかし、株式市場と同様に、「世論の風」は時に大変大きな影響力を発揮します。風を味方につけなければ勝つことが難しい局面もあります。いまの政治はまさにそれが当てはまります。



■では、いったい私たちはこれから何に注目しなければならないのか。


ポイントは、グローバル経済に対してどう対応していくのか、という点に尽きると思います。


子育て支援など、国民には居心地の良い言葉並ぶマニフェストではありますが、株式市場において最も重要なグローバル経済に対して、どう日本が対処していくのか、まったくと言っていいほど記載はありません。


これでは、日本の株式市場はいつまでも米国連動の株式相場から抜け出すことはできないでしょう。



■2005年の郵政解散後の株高は、日本特有のものでした。それは、小泉首相(当時)が竹中大臣(当時)と共に積極的に行ってきたグローバル経済に対して、日本がどういった立場をとっていくのかハッキリとさせてきたという流れがあったため。


民主党が政権を握り、民主党がこれからどうグローバル経済の中で日本の魅力を世界に訴えていくのか、投資家としての視点はそこに尽きると考えます。



(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)
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