今回の選挙を見て以前ある中華料理屋で昼食を食べていた時に側にいた年配のオヤジが言った事を思い出した。
確か小泉さんが田中マキコの大臣の更迭などで人気が急落したのをみて「次はいよいよ石原慎太郎かなぁ」みたいな事を言っていて、それを聞いた時は政治にうとい僕でも心底呆れてしまったのを覚えている。その時こいつらは自分たちの事しか考えてなくて結局どうでもいいいんだって思った。
その後、安部、福田と出る前は褒めてそれから非難するという儀式的ないじめを繰りかえしてきた。
そして麻生さんの時にそのバッシングがクライマックスを迎える。
何を言っても何をしても全てマスコミに批判された。漢字が読めないと批判していたのはメディアとバカな評論家ぐらいで少なくとも僕の周りではそんな事を気にする人はそんなにいなかったと思う。普通に生活している人はそんなに暇じゃない。その報道のバッシングは異常だった。
個人的に麻生さんの政策の中で定額給付金だけは未だに汚点であり理解不能だ。でも金融危機の時に自社株買いの規制を緩和したりタイムリーな対応も取ってきたと思う。あの時民主党は選挙をするべきとの一点張りだったのだから呆れてしまった。最後の方では若い人たちに経済力がなければ安易に結婚はするべきでないと言ったごくごく当たり前の発言までマスコミに批難された。
ただ麻生さんはタイミングを掴んで勝負するという事が上手ではなかったと思う。小泉さんはそういう機を掴むのが本当に上手かったと思う。優秀なリーダーになるにはこの能力が必須ではないだろうか。
今回の選挙の結果は今までの自民党のツケを払わされた感じで仕方ないと思う。僕も民主党の能力には甚だ不安を感じるが今回だけは自民党にいれたくなかった。これだけ国の借金が増え年金などの問題が出てくればその責任を取るのが当然だからだ。
でも僕は同時にその中華料理店の初老の様にはなりたくないとも思う。こういう人たちが今の若い奴らはみたいな事を言って昔を懐かしむんだろう。
9件のコメントがあります
1~9件 / 全9件
こんばんは、らいあんさん。
どうしても平文だけだと、ニュアンスが伝えにくかったり誤解されたりすることが多いので・・・
よくよく私の前々回のコメントを読み直してみるとそもそも伝える側の文も良くないなと反省してます。
なので少し謝意を強調したつもりだったのですが返ってらいあんさんに気を使わせてしまってすみません。(^^;)
昔、「一億総中流」ということばがありましたが、国民の大多数が中流(=正社員)であることは現在も構造が変わっていないと思います。らいあんさんのおっしゃるように、これが危機感の欠如や閉塞感につながっているのでしょうねぇ。
新政府には私も期待していますが、あまりにもポリシーが違うところがタッグを組むのは・・・
政府内で足の引っ張り合いだけはやめて欲しいですねぇ!
新政府が内輪もめでてこけると、ますます閉塞感が強まりそうな気がします。
それでは、おやすみなさい。(^^)
どうしても平文だけだと、ニュアンスが伝えにくかったり誤解されたりすることが多いので・・・
よくよく私の前々回のコメントを読み直してみるとそもそも伝える側の文も良くないなと反省してます。
なので少し謝意を強調したつもりだったのですが返ってらいあんさんに気を使わせてしまってすみません。(^^;)
昔、「一億総中流」ということばがありましたが、国民の大多数が中流(=正社員)であることは現在も構造が変わっていないと思います。らいあんさんのおっしゃるように、これが危機感の欠如や閉塞感につながっているのでしょうねぇ。
新政府には私も期待していますが、あまりにもポリシーが違うところがタッグを組むのは・・・
政府内で足の引っ張り合いだけはやめて欲しいですねぇ!
新政府が内輪もめでてこけると、ますます閉塞感が強まりそうな気がします。
それでは、おやすみなさい。(^^)
anri-1966さん
謝られるなんて逆に恐縮してしまいます(汗)。
というかおっしゃてる意味はよくわかります。僕も自民党に反対ばかりして夢物語ばかりを唱えている社民党とかは何なんだろうって思っていますから。
自国が攻撃されてもどこからどこまでが防衛なのか攻撃なのかをずっと議論している国なんて世界広しと言えども日本だけでしょうね。
ただ個人的には、日本はもっとお互いに共感するようなシステムを作る必要があると思うんです。例えば今の派遣社員と正社員の格差ですが一番の元凶は同一労働同一賃金ではないという部分だと思います。それが解決されなければ何をやっても何を言っても正社員にとって派遣社員の問題は他人事でしょう。
それと同じで政治も国民がもう少し共感できるようなシステムに変えないと日本はどんどん衰退していく気がします。日本の現状はそれでも外国の国々に比べてはるかに良いと思いますが大半の日本人が驚くほど悲観的なのは自分たちには関係ないという閉塞感だと思います。
最近ある漫画を読んでいてちょっと感動したセリフがあるのですが、主人公が”俺は他人を完全に信用しないけど、その責任は取る”って言うんです。誰かに全てを託すというのは自分で考えないという事でもあるとも思うのです。
謝られるなんて逆に恐縮してしまいます(汗)。
というかおっしゃてる意味はよくわかります。僕も自民党に反対ばかりして夢物語ばかりを唱えている社民党とかは何なんだろうって思っていますから。
自国が攻撃されてもどこからどこまでが防衛なのか攻撃なのかをずっと議論している国なんて世界広しと言えども日本だけでしょうね。
ただ個人的には、日本はもっとお互いに共感するようなシステムを作る必要があると思うんです。例えば今の派遣社員と正社員の格差ですが一番の元凶は同一労働同一賃金ではないという部分だと思います。それが解決されなければ何をやっても何を言っても正社員にとって派遣社員の問題は他人事でしょう。
それと同じで政治も国民がもう少し共感できるようなシステムに変えないと日本はどんどん衰退していく気がします。日本の現状はそれでも外国の国々に比べてはるかに良いと思いますが大半の日本人が驚くほど悲観的なのは自分たちには関係ないという閉塞感だと思います。
最近ある漫画を読んでいてちょっと感動したセリフがあるのですが、主人公が”俺は他人を完全に信用しないけど、その責任は取る”って言うんです。誰かに全てを託すというのは自分で考えないという事でもあるとも思うのです。
こんにちは。ライアンさん。
誤解ををあたえるような表現をしてスミマセン (^^;)
私も専制君主制を望んでいるわけではないです。
あまりにも政府内の意見がバラバラだと特に外交面でよろしくないと感じてます。
あと、日本の政治は物事を決めるのに時間がかかりすぎだと思います。ある程度の機動性が必要という意味で前回のような極端な例を引き会いに出してしまいました。
誤解を与えてすみません。 m(__)m
ライアンさんのおっしゃる自主性はもっとも大事ですね。
私も大変共感します。(^^)
ただ、「個人の意見が集まれば優秀な・・・」のくだりは政治には当てはめにくいような気がします。
それは部分最適(各個人の求める政治)が必ずしも全体最適では無いことと、政治家は全体最適を目指して政治をおこなうべきと思っているからです。
う~ん。改めて自分の考えを整理すると私は実は社会主義者なのかも知れません!? 資本主義の根幹である株式に投資しているくせに・・・ (^^;)
誤解ををあたえるような表現をしてスミマセン (^^;)
私も専制君主制を望んでいるわけではないです。
あまりにも政府内の意見がバラバラだと特に外交面でよろしくないと感じてます。
あと、日本の政治は物事を決めるのに時間がかかりすぎだと思います。ある程度の機動性が必要という意味で前回のような極端な例を引き会いに出してしまいました。
誤解を与えてすみません。 m(__)m
ライアンさんのおっしゃる自主性はもっとも大事ですね。
私も大変共感します。(^^)
ただ、「個人の意見が集まれば優秀な・・・」のくだりは政治には当てはめにくいような気がします。
それは部分最適(各個人の求める政治)が必ずしも全体最適では無いことと、政治家は全体最適を目指して政治をおこなうべきと思っているからです。
う~ん。改めて自分の考えを整理すると私は実は社会主義者なのかも知れません!? 資本主義の根幹である株式に投資しているくせに・・・ (^^;)
anr-1966さん
こんにちは。
定額給付金に関しては色々な政治的事情があったのかもしれませんが、それを踏まえても絶対にやってはいけなかった事だと思います。あれで僕は自民党に入れない決意をしました。
僕は専制君主には非常に否定的です。リーダーに全てを託すという事は一歩間違えて国が破滅しても何も言えないという事ですから。例えばファシズムなどは非常に効率的にリーダーの意向を実行できますが最終的に今日まで上手く機能しているケースはどれだけあるのでしょうか。
以前モルガン銀行のトレーダーですごい実績を残された藤巻さんという方のコメントで”優秀なエコノミストは個人単位で見れば一般の人より優秀かもしれないが個人の意見が集まれば優秀なエコノミストを凌駕する”みたいな事を言った事を覚えています。これは政治にも言える事ではないでしょうか。
一番重要なのは失敗してもいいから自主的に考えて行動する事でそうする事で次にやるべきことが見えてくる事なのではないでしょうか。この自主性がキーワードだと思います。
こんにちは。
定額給付金に関しては色々な政治的事情があったのかもしれませんが、それを踏まえても絶対にやってはいけなかった事だと思います。あれで僕は自民党に入れない決意をしました。
僕は専制君主には非常に否定的です。リーダーに全てを託すという事は一歩間違えて国が破滅しても何も言えないという事ですから。例えばファシズムなどは非常に効率的にリーダーの意向を実行できますが最終的に今日まで上手く機能しているケースはどれだけあるのでしょうか。
以前モルガン銀行のトレーダーですごい実績を残された藤巻さんという方のコメントで”優秀なエコノミストは個人単位で見れば一般の人より優秀かもしれないが個人の意見が集まれば優秀なエコノミストを凌駕する”みたいな事を言った事を覚えています。これは政治にも言える事ではないでしょうか。
一番重要なのは失敗してもいいから自主的に考えて行動する事でそうする事で次にやるべきことが見えてくる事なのではないでしょうか。この自主性がキーワードだと思います。
こんばんはライアンさん!
定額給付金の件は麻生さんの策ではなく公明との協力関係があるの公明党の顔をたてたのではないしょうか?
基本的に連立与党は良くないです。連立(格党の主張がばらばらです利害関係がいろいろあるからですし・・・)
三国志で言いえば董卓(自公)vs 諸侯(民主・国民新党・社民党)みたいになりそうな気がします。諸侯は董卓を凌ぐ戦力を用意しながら、結句各諸侯の思惑もあり内輪喧嘩などが始まり解散しました。
私は、民主主義も大切ですが、正しく方向に導いていく政治家が登場するのであれば、専制君主が実は一番効率の良い改革が出来そうな気がしています。
定額給付金の件は麻生さんの策ではなく公明との協力関係があるの公明党の顔をたてたのではないしょうか?
基本的に連立与党は良くないです。連立(格党の主張がばらばらです利害関係がいろいろあるからですし・・・)
三国志で言いえば董卓(自公)vs 諸侯(民主・国民新党・社民党)みたいになりそうな気がします。諸侯は董卓を凌ぐ戦力を用意しながら、結句各諸侯の思惑もあり内輪喧嘩などが始まり解散しました。
私は、民主主義も大切ですが、正しく方向に導いていく政治家が登場するのであれば、専制君主が実は一番効率の良い改革が出来そうな気がしています。
はっぴいえんどさん
こんばんは。
個人的に小泉さんはあまり好きではありませんが、天才的な相場師みたいにタイミングを掴んで勝負するのが上手いですね。
逆に麻生さんは嫌いではありませんが相場師的感覚はないように見えます。まぁあれだけ意味もなくマスコミに責められたので同情はしますが。
小泉さんの息子さん、カッコいいですね。久しぶりに政治家を見て見た目や雰囲気がカッコいいと思いました。
あれで小泉さんの勝負感があれば将来すごいカリスマになるかもしれませんね。
こんばんは。
個人的に小泉さんはあまり好きではありませんが、天才的な相場師みたいにタイミングを掴んで勝負するのが上手いですね。
逆に麻生さんは嫌いではありませんが相場師的感覚はないように見えます。まぁあれだけ意味もなくマスコミに責められたので同情はしますが。
小泉さんの息子さん、カッコいいですね。久しぶりに政治家を見て見た目や雰囲気がカッコいいと思いました。
あれで小泉さんの勝負感があれば将来すごいカリスマになるかもしれませんね。
JP Shizuokaさん
丁寧なコメントありがとうございます。
自民党はやはり偉い人たちが高齢化しているのもあり若い人をないがしろにし続けた結果が今回の惨敗だと思います。
定額給付金はその最も分かりやすい一例でした。あれは僕には若者ではなく老人を優先するというメッセージと取れました。あれが若い世代が見切りをつける最後のダメ押しだったと思います。
一部では今回の結果は一過性のものだと言っている自民党議員もいるようですがもし本当にそう思っているならば現実を直視せずにボケてるとしか言いようがありません。今回は若い人たちからノーを突きつけられたのです。民主党も怪しいけどそれを踏まえても自民党にだけは入れたくと思った人がたくさんいたと思います。危機感を持たなければどんどん力を失うでしょう。
最近90歳や100歳になっても更にいつまでも元気でやっていきたいとか言っている老人を見ると複雑な気持ちになります。
もちろんみんな死にたくないというのはあると思うのですがこれぐらいの年になるといかに綺麗に身を引く事で次の世代に何かを残せるかを考えるべきだと思うからです。
もちろん年金以外に充分な貯蓄を持っている人は別です。
ただ偉そうに言っても自分はまだこの人達の老いからくる絶望感とか恐怖みたいなものはわかりません。もしかしたらその人たちと同じようにそうなったら必死で生きようとするのかもしれませんね(汗)。
丁寧なコメントありがとうございます。
自民党はやはり偉い人たちが高齢化しているのもあり若い人をないがしろにし続けた結果が今回の惨敗だと思います。
定額給付金はその最も分かりやすい一例でした。あれは僕には若者ではなく老人を優先するというメッセージと取れました。あれが若い世代が見切りをつける最後のダメ押しだったと思います。
一部では今回の結果は一過性のものだと言っている自民党議員もいるようですがもし本当にそう思っているならば現実を直視せずにボケてるとしか言いようがありません。今回は若い人たちからノーを突きつけられたのです。民主党も怪しいけどそれを踏まえても自民党にだけは入れたくと思った人がたくさんいたと思います。危機感を持たなければどんどん力を失うでしょう。
最近90歳や100歳になっても更にいつまでも元気でやっていきたいとか言っている老人を見ると複雑な気持ちになります。
もちろんみんな死にたくないというのはあると思うのですがこれぐらいの年になるといかに綺麗に身を引く事で次の世代に何かを残せるかを考えるべきだと思うからです。
もちろん年金以外に充分な貯蓄を持っている人は別です。
ただ偉そうに言っても自分はまだこの人達の老いからくる絶望感とか恐怖みたいなものはわかりません。もしかしたらその人たちと同じようにそうなったら必死で生きようとするのかもしれませんね(汗)。
おはようございます。
JP Shizuokaさんの上記のコメントに大賛成です。
今回の選挙では、30代の議員さんがたくさん当選して世代交代を感じさせた内容でした。
福祉国家の崩壊は必然的な結果だと考えている私は、今回の世代交代を生み出した民意に敬意を表したいと思います。
その点、小泉首相の自分は引退し息子を当選させた行為は、民意をつかむことにかけては天下一品かなと思いました。
次回選挙が楽しみです。
JP Shizuokaさんの上記のコメントに大賛成です。
今回の選挙では、30代の議員さんがたくさん当選して世代交代を感じさせた内容でした。
福祉国家の崩壊は必然的な結果だと考えている私は、今回の世代交代を生み出した民意に敬意を表したいと思います。
その点、小泉首相の自分は引退し息子を当選させた行為は、民意をつかむことにかけては天下一品かなと思いました。
次回選挙が楽しみです。
こんばんは。
自分も似たような意見で自民はパスしました。(元々支持母体は持ってないですが)
今回民主に入れた理由で、ある記事のコメント欄で次の書き込みを見て日本の政治は真剣に生まれ変わらねばと感じました。
↓コレを読んで非常に感銘を受けました。
「返済不能と判っている国債を発行するの事が、国としての自殺行為だという事は自明である。1970年代の成長余力のあった時代と、成長が飽和点、あるいは下降点にきている2000年代とでは、借金に対する考え方が変わらなくてはならない。政治家と官僚のステータス維持のために、再生産のないバラ撒き政策を続ける事の愚かしさ、危険性をはっきりと認識すべきである。
我々団塊世代の人間が社会に出た頃は無理に思える借金をし、家を買い、車を次々と買い換えた。実際生活レベルが急速に向上していった事もあり、古い戦後バラック住宅を改造し、古い車にクーラーを取付けるより、買い換えた方が安いという事情もあった。その根底には経済・生活の成長が確信できる時代背景があった。
しかし子供が独立し、年金生活に入り活動範囲も縮小した今は、借金を抱え込む事は避けるのが当り前である。孫子に美田を残せとは云わないが、せめて負債を残さないようにするのが、我々の最後の勤めであろう。
国とて本質は同じである。その構成員の4割近くが年金等の社会保障に頼るようになる今後20年間で借金を増やす事は、年金原資を食い潰し、社会保障の税負担率を増大させるだけでなく、この事に直接責任の無い若い世代に借金の付けを回しする事を意味する。またハイパーインフレによる借金=国債の事実上の紙屑化を意図するなら、社会保障そのものも吹っ飛んでしまう危険さえある。
何度でも云おう。年金生活者の医療費公費負担を取り止めてでも、借金増大は防がなくてはならない。老人医療にいくら金を注ぎ込んでも、社会的再生産は見込めないからである。それをやるなら、新生児医療、児童保育の完全無料化を図る方が余程意味がある。我々老人世代は自らの資産で我々の時代の借金を清算し、残った財源で余生を過ごす覚悟をするべき時が来ているのではないか」
自分も似たような意見で自民はパスしました。(元々支持母体は持ってないですが)
今回民主に入れた理由で、ある記事のコメント欄で次の書き込みを見て日本の政治は真剣に生まれ変わらねばと感じました。
↓コレを読んで非常に感銘を受けました。
「返済不能と判っている国債を発行するの事が、国としての自殺行為だという事は自明である。1970年代の成長余力のあった時代と、成長が飽和点、あるいは下降点にきている2000年代とでは、借金に対する考え方が変わらなくてはならない。政治家と官僚のステータス維持のために、再生産のないバラ撒き政策を続ける事の愚かしさ、危険性をはっきりと認識すべきである。
我々団塊世代の人間が社会に出た頃は無理に思える借金をし、家を買い、車を次々と買い換えた。実際生活レベルが急速に向上していった事もあり、古い戦後バラック住宅を改造し、古い車にクーラーを取付けるより、買い換えた方が安いという事情もあった。その根底には経済・生活の成長が確信できる時代背景があった。
しかし子供が独立し、年金生活に入り活動範囲も縮小した今は、借金を抱え込む事は避けるのが当り前である。孫子に美田を残せとは云わないが、せめて負債を残さないようにするのが、我々の最後の勤めであろう。
国とて本質は同じである。その構成員の4割近くが年金等の社会保障に頼るようになる今後20年間で借金を増やす事は、年金原資を食い潰し、社会保障の税負担率を増大させるだけでなく、この事に直接責任の無い若い世代に借金の付けを回しする事を意味する。またハイパーインフレによる借金=国債の事実上の紙屑化を意図するなら、社会保障そのものも吹っ飛んでしまう危険さえある。
何度でも云おう。年金生活者の医療費公費負担を取り止めてでも、借金増大は防がなくてはならない。老人医療にいくら金を注ぎ込んでも、社会的再生産は見込めないからである。それをやるなら、新生児医療、児童保育の完全無料化を図る方が余程意味がある。我々老人世代は自らの資産で我々の時代の借金を清算し、残った財源で余生を過ごす覚悟をするべき時が来ているのではないか」