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富士通半導体子会社が過去最高益目指す、TSMCと関係強化し設備軽量化
[東京 27日 ロイター] 富士通(6702.T: 株価, ニュース, レポート)の半導体子会社、富士通マイクロエレクトロニクスは27日、台湾積体電路製造(TSMC)(2330.TW: 株価, 企業情報, レポート)への受託生産を拡大して設備軽量化(ファブライト)の路線をとることで、2012年3月期の営業利益は過去最高の150億円を目指すと発表した。今期は150億円の営業赤字の見通しだが、国内工場の縮小を通じて費用を削減し、11年3月期は100億円の営業黒字を目指す。
主要製品のシステムLSI(大規模集積回路)の需要は、09年2月を底に回復基調にある一方で、下期以降から来期にかけて大幅な伸びは見込めないとみている。売り上げが低迷する中で利益を出せる体質への転換を図ることが必要と判断し、巨額な設備投資が必要な自社工場の製造能力を縮小するとともに、半導体受託製造で世界最大手のTSMCとの関係を強化することにした。
TSMCとは、すでに回路幅40ナノ(ナノは10億分の1)メートル世代の生産委託で合意しているが、新たに28ナノ世代の生産も委託する。両社は28ナノ世代の技術の共同開発でも合意している。台湾への生産委託だけでなく、商品開発面では、欧米や中国の海外企業との提携を強化する。
また、国内工場の製造設備の整理・統合などを通じて、来期までの2年間で800億円の費用削減を削減する。内訳は、今期650億円、来期150億円。これにより10年3月期下期から営業黒字化を目指し、来期の100億円の営業黒字につなげ、12年3月期に過去最高の150億円以上を目指す。13年3月期から15年3月期は平均営業利益率の目標は8%とした。売上高は11年3月期に3100億円、以降は3100億―3400億円の間で推移すると想定している。09年3月期は3903億円で今期予想は2900億円となっている。
記者会見した岡田社長は、TSMCとの関係強化について「ストラテジックなパートナーシップを結ぼうという合意を持ったスキームだ。単なるファウンドリー(半導体受託生産)モデルではない。ビジネスモデルを一緒に作っていく」と強調した。
半導体大手のルネサステクノロジ(東京都千代田区)とNECエレクトロニクス(6723.T: 株価, ニュース, レポート)が経営統合の協議をするなど、国内メーカーの再編が進んでいるが、岡田社長は「われわれとしてはTSMCと対等なパートナーシップを構築していく」と述べた。国内メーカーとの連携については「将来の可能性を100%否定するものではないが、まずは自力で利益を出す会社になることが大事だ」とした。
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(ロイター日本語ニュース:村井令二)
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