こっちに来て4日目。
知り合いのマンションを転々とお泊まりする生活が続いている。
先日は友人宅でホームパーティーがあった。
旅先、しかもほとんど海外で知り合った人ばかり。
東京で久々に遭うと妙にシュールに感じる。
でも、すぐに馴れた。
この日のために用意していたバリ島のお土産。
カリンバやアクセサリーをプレゼントとして渡した。
思いのほか喜んでくれたので、ホッとした。
嬉しかった。
女性のゲストが多かったせいか、終始穏やかなムード。
ここ数ヶ月の疲れが、まるで蒸発するかのように体の中から抜けていく。
日本に帰ってきてよかった…。
心の底からそう思った。
翌日、新宿で友人のGFと遭った。
株で稼いで世界を飛び回っている人って紹介された。
「やめてくれ、そんなのはもう過去の話なんだよ…」
オレは心の中でそう突っ込まずにはいられなかった。
友人曰く、長年の「ソウルメイト」というその彼女は、びっくりするほど輝いてみえた。
容姿といい言葉遣いといい、グッと引きこまれるものがあった。
ナチュラルで清楚な感じ。
それでいて、意思の強さを感じさせる。
今のオレにとって理想の女性のように感じた。
いわゆる一目惚れってやつだ。
胸の奥からなにかがこみあげてきた。
オレはソッコー彼女に告白せずにはおけなかった。
「いや~美人ですねー、思わずドキドキしちゃいましたよ」(笑
そのまま別れ、翌日再び友人と合流した。
「ちょっと、なに、あんな娘とどこで知り合ったのよ!!!」
正直、自分でも興奮しすぎていたのかもしれない。
「○○さん、いつも女に飢えてますねー」
一回り年下の彼は半ば呆れるようにいった。
「いや、違うんだ、彼女は特別だ!」
まるではじめて恋をする中学生のようにオレは絶賛していた。
どんなに凹んでいても、魅力的な女性に出会うとすぐに元気になる。
明日からまたガンガン稼いでやる!
もう一度、何不自由なく世界を飛びまわれるようになろう。
何の根拠もないのに、そんな野心が沸々と沸いてきた。
オトコってのは、かように単純な生き物なのである。