東京漂流生活

☆アキ☆さん
☆アキ☆さん
こっちに来て4日目。

知り合いのマンションを転々とお泊まりする生活が続いている。

先日は友人宅でホームパーティーがあった。

旅先、しかもほとんど海外で知り合った人ばかり。

東京で久々に遭うと妙にシュールに感じる。

でも、すぐに馴れた。

この日のために用意していたバリ島のお土産。

カリンバやアクセサリーをプレゼントとして渡した。

思いのほか喜んでくれたので、ホッとした。

嬉しかった。

女性のゲストが多かったせいか、終始穏やかなムード。

ここ数ヶ月の疲れが、まるで蒸発するかのように体の中から抜けていく。

日本に帰ってきてよかった…。

心の底からそう思った。


翌日、新宿で友人のGFと遭った。

株で稼いで世界を飛び回っている人って紹介された。

「やめてくれ、そんなのはもう過去の話なんだよ…」

オレは心の中でそう突っ込まずにはいられなかった。

友人曰く、長年の「ソウルメイト」というその彼女は、びっくりするほど輝いてみえた。

容姿といい言葉遣いといい、グッと引きこまれるものがあった。

ナチュラルで清楚な感じ。

それでいて、意思の強さを感じさせる。

今のオレにとって理想の女性のように感じた。

いわゆる一目惚れってやつだ。

胸の奥からなにかがこみあげてきた。

オレはソッコー彼女に告白せずにはおけなかった。

「いや~美人ですねー、思わずドキドキしちゃいましたよ」(笑

そのまま別れ、翌日再び友人と合流した。

「ちょっと、なに、あんな娘とどこで知り合ったのよ!!!」

正直、自分でも興奮しすぎていたのかもしれない。

「○○さん、いつも女に飢えてますねー」

一回り年下の彼は半ば呆れるようにいった。

「いや、違うんだ、彼女は特別だ!」

まるではじめて恋をする中学生のようにオレは絶賛していた。

どんなに凹んでいても、魅力的な女性に出会うとすぐに元気になる。

明日からまたガンガン稼いでやる!

もう一度、何不自由なく世界を飛びまわれるようになろう。

何の根拠もないのに、そんな野心が沸々と沸いてきた。

オトコってのは、かように単純な生き物なのである。
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