木下 晃伸さんのブログ

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「モラトリアム相場」が株価を暴騰させる

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● 【本日のニュース】/米景気対策、70%は10年9月末までに支出
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ローマー米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長は6日、ワシントン市内で講演し「7870億ドルの景気対策のうち、70%を2010年9月末までに支出する予定」と語った。今年2月の景気対策法成立から6月末までに既に1000億ドル以上が支出されたことも明らかにした。


同委員長は2010会計年度末までの5四半期間、1000億ドルずつを四半期ごとに支出する予定と表明。「支出する金額は一定でも、景気対策の効果は、時間がたつに従って相乗効果が大きくなっていくだろう」と、強気の見通しを示した。


(2009/08/07付日経速報ニュースより一部抜粋)


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【ニュースの深層】「モラトリアム相場」が株価を暴騰させる
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。


経済アナリスト、木下晃伸です。



■日経平均株価も1万円を回復、6月中旬から7月中旬にかけて下落していた時に再び高まっていた悲観論も声を潜めている感があります。


株価は一本調子で上昇することはなく、途中下落しながらも足腰を強くしながら上昇していくものです。


しかし、出来れば6月中旬で売り転換し、7月中旬に再び買い転換という相場観を身につけることができれば、パフォーマンスは一気に上がるのは、当たり前のことでしょう。



■私も一時こうしたタイミングをとりたいと考え、ドタンバタンと売買を繰り返す投資を考えたこともあります。しかし、それは勝利が長続きしないという特徴があると気づきました。


古今東西、資産を築いた投資家は、大きなトレンドを読み解き、大きくリスクをとっています。私も同様の考えを持っていたいと思っています。


私は、3月中旬からトレンドは大きく変わったと考えています。右肩下がり、時には暴力的ですらあった株価下落が落ち着き、3月中旬より上昇局面に突入したと考えています。


具体的なトレンド転換の理由は、拙著「巨大バブルがやって来る!」(小学館)にまとめてありますので、体系的に知っていただければと思います。


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■ ところで、大きなトレンドと言うとすぐに「長期投資」という考えが浮かぶのですが、そういうことを言っているのではありません。


例えば、仮に上昇局面がやってくるとしたら、6月中旬から7月中旬にかけての下落は当てはまっていないことになります。


それを長期で見ればトレンド転換し、大きく上昇するのだから待っていればいい、というのでは乱暴すぎます。必ず株価の動きには、何らかの理由があると考えるべきです。



■では、理由はといえば異常事態に対して行なって来た低金利政策や景気刺激策を通常ベースに戻す、いわゆる「出口戦略」が現実に行なわれようとしたため、と考えられます。


いまなお青息吐息である経済状態であるにも関わらず、いま通常ベースに戻してしまえば、再び悪化してしまうかもしれない。株式市場はそうした動きを牽制したと言えるのです。



■一方、米国は景気対策を3ヶ月に10兆円規模で行なっていくことを明らかにしています。それは2010年まで続くもの。これは出口戦略どころか異常事態対応策がまだまだ当分続くと考えていいでしょう。これはまさに「モラトリアム」相場の到来を強く感じさせます。


「モラトリアム」が続く以上、私は株高が続くと考えるのです。そうして初めて、下落しても、それは一過性のものでドタバタする必要はない、と考えることができると思います。



(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)
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