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● 【本日のニュース】/AIG株が急騰
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5日の米株式市場で、公的支援を受けている米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG、コード@AIG/U)株が急騰したことが市場の話題となった。AIG株は前日比8.48ドル(63%)高の22.00ドルで通常取引を終了。上昇率は3月16日(66%高)以来、約5カ月ぶりの大きさだった。
特段の手掛かりが出たとの声はなかった
(2009/08/06付日経速報ニュースより一部抜粋)
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【ニュースの深層】理由なき株価変動はあり得ない、と考える
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。
経済アナリスト、木下晃伸です。
■昨日市場の話題をさらったのは米保険大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の株価暴騰でしょう。
※American International Group, Inc. (Public, NYSE:AIG)
http://www.google.com/finance?q=aig
実に前日比6割を超える大幅高となり、異彩を放っていたのです。しかし、理由はと言えば「特段の理由はない」というよう。
■たしかに、株式市場では、一見すると特段の理由なく株価が上昇することはよくあります。しかし、そこで思考停止に陥ってはいけない。事実もしくは仮説でもよいので、「何らかの上昇(もしくは下落)の理由を探し出す」姿勢が後々大きな差となって現れます。
では、今回のAIG株が暴騰した理由は何か。それは、「金融危機が完全に去った」みることができると考えます。
まだまだ悲観論は聞こえてきますが、現実として統計指標は好調な推移となっています。
当メールマガジン読者のみなさまには、3月11日、まったく好転が見られない状態で、一筋の光明が見えたシティグループ、パンディットCEO発言を取り出し株価暴騰の予感、とお伝えしました。
そして、株高を追いかける形で、業績や統計も少しずつ改善してきています。
■しかし、こうした環境下で、AIGはむしろ悪材料ばかりが飛び出していました。
6月末には、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の損失が増加すると発表、AIG株は7月に入り全体相場の下落以上に大きく悪化していました。
そうした悪材料をもう心配するほどではない、ということをAIG株の急騰は物語っていると考えられます。
7日に決算が発表される予定です。さらに業績が明らかになったとき、株式市場がどう反応するか、注目しておきたいところです。
(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)