人間の身体は発汗によって体外に熱を放出して
体温を調整しますが、暑いとその体温調節機能が
利かず、そのうち体内の水分や塩分が低下し、脳
への血流も不足して熱中症が発症します。身体の
ほてりやのどの渇き、頭痛、嘔吐、めまい、失神
などの症状が現われ、重症化した場合は死に至る
こともあります。
暑い日は無理な運動を避け、屋外で直射日光が
あたる場所では帽子を着用し、水分と塩分を十分
に摂取することで熱中症をある程度防ぐことがで
きます。
また、熱中症は暑い屋外で起こると思われがち
ですが、65歳以上のお年寄りのうち4割超は自
宅居室での発症となっており、居室の風通しを良
くしたり、エアコンを上手に使うなど、室内環境
を適切に保つことも大切です。
ちなみに、暑くも寒くもない状態で、蒸発や排
泄などによって成人が1日に失う水分量はおよそ
2.5リットルにもなります。さらに、暑い日や
汗をかいた日はプラス1リットル程度の水分を失
うとされています。
失った分を補うためには、1日3食の食事中に
およそ1リットルの水分が含まれているため、最
低でも1.5リットルは水分として摂取する必要
があり、もちろん暑い日や汗をかいた日にはプラ
ス1リットル、合計2.5リットル程度の摂取が
望ましいとされています。一度に大量に飲んでも
尿として排出されやすいため、程々の量をこまめ
に飲むのが理想的です。
ただし、アルコールは利尿作用が高く、飲んだ
以上の量が尿となって排出されてしまうため水分
摂取の用をなさず、コーヒーや緑茶なども利尿作
用があるため水よりは効果は低くなります。また、
ジュース類を飲む際は、糖分の取りすぎに注意が
必要です。