風斜めに雨急なるところは、脚を立てえて定めんことを要す。
花こまやかに柳艶なるところは、眼を着けえて高からんことを要す。
路危うく径険しきところは、頭を回らしえて早からんことを要す。
(風雨が激しく吹きつけるときは脚を大地に踏みつけて立つがよく、
花や柳が美しいところは目を高くして、それに心をうばわれないようにし、
路が狭くて危険と知ったら早く引き返さなければならない)
日の出があれば日没もあり、春夏が過ぎれば秋冬がくるのと同じく、
経済にも同じ変化がある。
「山高ければ谷深し」の戒めもある。
「人に千日の好なく、花に百日の紅なし」。
つまり、人間社会には良いことが千日も続くことはなく、花が百日もの
長い間、赤々と咲き誇ることはないという意味で、良いことは長くは
続かない、ということでもある。
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引用 菜根譚を読む 著者 井原隆一