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●【本日のニュース】/商船三井の今期、連結純利益76%減の300億円に下方修正
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商船三井(9104)は27日、2010年3月期の連結純利益が前期比76%減の300億円にとどまる見通しだと発表した。従来予想から100億円の下方修正。景気低迷を背景にコンテナ船の荷動きが停滞、運賃下落も響く。
売上高は28%減の1兆3500億円になる見通し。従来予想は1兆4000億円だった。営業利益は75%減の500億円と、これまでの予想を300億円下回る。4~9月期までは各損益段階で赤字を計上する見通しで、下期以降に中国の鉄鉱石需要の回復や自動車荷動きの改善から黒字基調に転じるとみている。
(2009/07/27付日経速報ニュースより一部抜粋)
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【ニュースの深層】海運会社の決算から何が見える?
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。
経済アナリスト、木下晃伸です。
■大手企業の第一四半期決算が本格化する今週、海運大手の決算が発表となりましたが、数値面からは悪い状況となりました。
場中に発表されたこともあり、たとえばご紹介した商船三井の株価は後場に入り、急落してしまいました。
※【9104】(株)商船三井
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=9104.T&d=1w
■では、この決算発表から何を見なければならないのか。私は「悪材料出尽くし」であると考えます。
それは、業績が悪化している内容を見ると分かります。特に注目すべきは、自動車の販売不振のあおりで自動車船の輸送台数が5~6割減少していることでしょう。
では、下期にかけてどうなるか。仮に自動車販売が不振から立ち直ると考えられるのであれば、商船三井の業績は4-6月期がボトム、改善に向かうということになります。
私は7月初旬の米国出張を受け、自動車セクターは9月頃から回復に向かうと考えています。株価的にはもっと早く反応するかもしれない。こうした点を考えて行くと、商船三井をはじめとした海運会社の業績は、今回がボトム、悪材料出尽くしである、と考えられるのです。
■また、7-9月期については、中国向け資源輸送などばら積み船の市況回復などが寄与し業績が改善傾向になることも追い風となるでしょう。
場合によっては、今回2010年3月期の業績を下方修正したわけですが、今回のボトムから上方修正する可能性すらあり得ると考えています。
悪い数値だからといって悲観に暮れる必要はありません。重要な点は自分なりの仮説を持ち、その仮説と照らし合わせながら、次々と発表される決算数値を見て行くことが、このタイミングで求められていると考えます。
(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)