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多極的協調の時代へ ドル崩壊説

▼CFRが黒幕?

 パウエル、ライス、クリントンと3代続けて国務長官が、多極的協調の方針
をCFRでの演説や論文で発表している点も興味深い。歴史をさかのぼると、
CFRが育てた早期の隠れ多極主義者はキッシンジャーである。彼は、ニクソ
ン政権の大統領補佐官となる前の数年間、CFRで冷戦を終わらせるための戦
略(ベトナム戦争を過激にやって意図的に敗北)を練り、ニクソン政権入りし
てからは中国との関係改善を実現した。レーガン政権以来、政権の中枢に出入
りしているネオコンも、表向きはキッシンジャーを嫌ったが、CFRでは重視
される存在で、結局はブッシュ政権でイラク戦争を過剰にやって米国の覇権を
崩壊させており、隠れ多極主義の別働隊だった疑いが濃い。

 クリントンは、今回の演説の冒頭で「われわれ(国務省)はCFRから、将
来に向けてどう考えるか、どう行動すべきかについて、改めて請う必要もない
ほど多くのアドバイスをすでに受けている」と述べている。やはり紛れもなく、
CFRは昔から現在に至るまで、米国の世界戦略を決定する奥の院である。

http://tanakanews.com/e0619neocon.htm
ネオコンは中道派の別働隊だった?

 CFRが「未来をどう考えるか」を知っている機関であるということは、彼
らが、国際政治経済の環境の創設を演出する大がかりな諜報機関(米国などの
諜報機関を動かす機関)でもあるということだ。実際のところ、フォーリン・
アフェアーズを精読して裏読みすると、これからの世界情勢を読み解く際にか
なり役に立つ(プロパガンダやめくらましの論文も多いが)。

 現在の米国は、まだ世界唯一の覇権国である。ドルは唯一の国際基軸通貨で
ある。だが、米国の金融危機は潜在的に拡大しており、早ければ今夏の終わり
にAIGなどで金融危機が再燃し、ドルや米国債に対する国際信用が下落する。
英文ウェブログ界では最近「9月末ごろにドル崩壊説」がよく出ている。この
ドル危機が起きた後、世界は多極化の様相を強め、米国の多極的協調の方針は
具現化の度合いを増す。逆に、米金融が延命し、ドルや米国債の破綻が延期
されれば、その分、多極化の進展は遅くなる。

http://tanakanews.com/090526dollar.htm
ドル崩壊の夏になる?

http://www.henrymakow.com/perhaps_we_should_prepare_for.html
Many Predict US Financial Collapse in September

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★多極的協調の時代へ
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 米国のヒラリー・クリントン国務長官が7月15日、外交問題評議会(CFR)
のワシントン支局で行った演説は、クリントンが国務長官として米国の外交
戦略全般について語った初めての演説だった。演説では、EUや日本、韓国、
オーストラリア、タイ、フィリピンなどを主要同盟国(bedrock alliances)
として重視しつつ、その一方で中国やロシア、インド、ブラジル、トルコ、
インドネシア、南アフリカといった新興諸大国が、世界的な諸問題を解決する
際の米国の完全なパートナー(full partners)になれるように協力すると述
べている。対米従属的な既存の親米諸国だけでなく、冷戦的な構造下で反米や
非同盟に属していた、米国のいうことを聞かない国々とも、同盟に近い関係を
築きたいという表明だ。

▼中東の要はトルコとイラン。アラブは?

 クリントン演説のもう一つの重点は、従来は米国にとって最重要の同盟国だ
った英国について、一言も言及していないことだ。英国の国名は、演説に全く
出てこない。EUやNATOとの同盟関係についての言及の中に、英国は埋も
れてしまっている。英国は、多極化によって国益が最も損なわれる国の一つで
ある。近年の米政府が英国に対して冷淡であることは、米政府が多極型世界を
嫌っているふりをして、実は多極型を好むという「隠れ多極主義」の立場なの
だと私が考える理由の一つになっている。


今回、トルコとイランが米国から中東の大国として認知されたが、トルコと
イランは覇権争いをしているわけではない。むしろクルド問題やパイプライン、
貿易など多方面での協力関係を強めている。すでに「ドル後」への備えもあ
り、トルコとイランの貿易には、ドルではなく両国の通貨を使う取り決めもで
きている。
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