宮ちゃん◎リーマンさんのブログ

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[ベト株]いよいよ割安感が戻ってきた!パート2(1/2)

[ベト株]いよいよ割安感が戻ってきた!パート1(1/2)へ
http://minkabu.jp/blog/show/14485

9月9日(日) 14:30から開催されたグローバルリンクアドバイザーズ主催のベトナム株セミナーの内容です。

中国株の夢の続き~地理的条件と民営化、成長ロジックは中国と一緒~

ベトナムは国土約33万平方キロメートル、人口8300万人の社会主義国です。国土は南北に長く、国土面積や人口は日本にかなり近い数字です(日本は38万平方キロメートル、人口1億2000万人)。宗教は仏教が8割方を占めている点、古来、中国から文化の影響を受けている点でも日本と似ていると言えます。社会主義国ですが、1986年に党大会で採択された市場経済システムの導入と対外開放を柱としたドイモイ(刷新)路線を継続しており、豊かな社会に向かってようやく動き始めたところです。2007年1月にはWTOに正式加盟しました。

このベトナムの株式市場がポストBRICsとして熱い注目が注がれています。ベトナム株が急に注目を受けるようになった理由はベトナム経済が活性化してきているからです。その最も大きな理由は中国の人件費高騰による生産拠点の移動です。ベトナムは中国の沿岸沿いの南端に位置しています。

中国の成長の原動力は安価な人件費と土地を利用して世界の工場になれたこと。そして世界の工場になるには輸出入のために海に面していることが必要条件となります。ベトナムはこの条件を共に有しています。現在、中国の経済成長を牽引してきた上海や深センなどの沿岸工場地帯の人件費が高騰してきており、日本円で大体1ヶ月3万円ぐらいになっています。一般的にはより安価な人件費を求めるために中国の内陸部に工場の移動が始まると考えられがちですが、現実的には違います。それは内陸部は物流インフラが整備されておらず、物流コストが嵩んでしまうからです。そのため沿岸沿いに南下してきており、ベトナムに進出する工場が後を絶たなくなってきています。ベトナムの賃金は約6千円ぐらいですから、上海や深センに比べて人件費が6分の1で済みます。ここにベトナムが発展している力の源泉があるわけです。

民営化と地理的条件から考えて、成長のロジック的にもまさに「中国株の夢の続き」といえるでしょう。


今のベトナム株は割安?割高?

IMFは上位20社(時価総額の99%を占める)の株価収益率(PER)の平均は2007年1月までの計算で、凡そ73倍になるので割高というようなことを発表しています。ここでベトナム株のここ1年の株価動向をおさらいしておきましょう。2006年はベトナム株にとって激動の年でした。WTO加盟が視野に灰入り、過剰流動性による世界的な株高の中、世界中の投資家から熱い視線が注がれ資金が流入。2006年11月頃から大量の資金が入り、株価はそのまま2007年3月まで急上昇し、2006年8月には400ポイントだったVN指数(ベトナム株の日経平均にあたる指数)は2007年3月上旬には1170ポイントをつけました。その後、株価は調整局面に入り、4月24日には904ポイントまで下落しました。

このような株価の経緯があるものですから、このIMFのレポートを見て、「やっぱりベトナム株は既に割高なんだ」と考える方が多くなったと思います。しかしながら、これにはいくつかの誤解があると思います。まず、一つはベトナムの企業は物凄いスピードで利益を拡大しているということ。時価総額上位銘柄でも、利益の伸び率が数倍増(中には10倍増近く)というものがあるため、2005年の利益と2006年の利益は大幅に違い、最近発表された2006年の利益で計算すると市場の平均PERはもっと引くなります。もう一つは、利益の伸び率が急なだけに資本の伸び率も大きく違うということ。たとえば、昨年と今年の発行済み株式数の間で2倍どころか4倍の開きがあることも。発行済み株式数はPERを計算する際に利用するEPS(一株あたり利益)の分母になるため、どの時点の発行済み株式数で計算するかで、同じ利益でもEPSは大きく異なります。たとえば、上記のIMFのレポートは2007年1月時点の数字ということですが、2006年の決算数字は発表されていませんし、いつの時点の発行済み株式数を使って計算したのかわかりません。これではPERが高く計算されても仕方ありません。

実際のところ、4月25日の終値を利用して、2006年の実績業績ベースにおける、2006年の期中平均株式数を使ったホーチミン証券取引市場全上場銘柄の単純平均PERは約23倍になっています。これは、同じ新興国で注目されている中国H株の19倍に比べると決して割安と言える数字ではありませんが、しかし、インドのセンセックス指数の25倍よりは低い数字です。また、ベトナムは国営企業が民営化を開始するまさに元年的位置づけにあるため、企業業績の伸び率が違います。

もっともすべての企業が民営化によっていきなり利益が伸びる訳ではありません。ベトナムの上場企業にも依然として国営企業然とした企業は多数あり、企業訪問をしてみると「やる気ないんじゃないの?」と首を傾げたくなるような企業もたくさんあります。そうゆう企業の場合、確かに現在のPERは割高とも言えるでしょう。したがって、現在のベトナム株を一言で表すとすれば「玉石混合」の状態です。そして、株価的には、それらの企業の株価調整のためにも、もう少し調整期間が続くべきです。


ベトナム株のアノマリー

アノマリーとは、理論的な根拠があるわけではないが、一般的によく当たると言われている現象のこと。代表的なものでは、日本で言うところの「節分天井、彼岸底」に代表される季節的周期性があり、これは日本とはちょっと異なります。

ベトナムの季節的周期性ですが、簡単に言えば、秋口から上昇を開始し、春には天井をつけやすいということが言えるかも知れません。これは何を意味しているかというと、ベトナム株の売買の大部分を占めているベトナムの個人投資家の投資習性を示しています。この投資習性とは、あえて名付けるなら「イベント投資」。ベトナム株では年率成長50%~100%の企業はゴロゴロしていて、上場企業の主力銘柄でも時には10倍近い増益を発表することがあります。それだけに決算発表時の株式分割などもまた大きなものになるケースにが多いのです。毎年のように大幅な無償分割が発表されたり、あるいは現在取引されている株価よりもウンと安い、額面での有償増資があったりという感じです。しかもそれに伴って大型提携や新規プロジェクト発表などがあるので、分割後も株価はすぐに元の株価に戻ったりすることが多いのです。

ベトナムの個人投資家は基本的には短期投資で、この分割を目当てに投資をしてくる傾向があります。ベトナムは12月決算なので、12月の決算状況が良くなりそうだという雰囲気が出始める秋口頃に、大きな分割をやりそうな企業を中心に資金が流入し始めます。つまり、毎年の傾向としては大体夏場ぐらいに底をつけ、その後、秋口ぐらいから上昇して行き、決算発表がある(そして、分割も発表される)3~4月ごろまで上昇していくというもの。そして、決算発表明けは一旦利喰ってしばらく様子見。その後、再び翌年の年度末決算の状況が良さそうなら、夏場ごろから投資・・・というパターンが繰り返される・・・というものです。

もちろん、必ずしも毎年このパターンになるほど株はアマくありません。しかし、とりあえず2006年末からのケースを当てはめると、一旦2月末~3月頭に天井をつけたベトナム株は、夏場ぐらいまでは緩やかに下落して行き、その後、年末に向けて回復というパターンになる可能性もあると言えるでしょうか。


世界の株式市場の動向を握るのは米国の金利

米国の長期金利を短期金利が上回った後、景気後退期に入り、短期金利はその後下落傾向に入っていくケースが多い。

http://www.china-stocks.net/glavse_01.tif


堅調なベトナムの各種経済指標

http://www.china-stocks.net/glavse_02.tif


REASONABLE VALUATIONS ~ TIME TO BUY AGAIN

http://www.china-stocks.net/glavse_03.tif


HSBC
http://www.hsbc.com/1/2/

ウェブページ翻訳
http://www.excite.co.jp/world/english/web/


2006年からの株価推移は2003年以降の中国株の動きと良く似ている

現在の調整は2004年の中国株の調整期間と一緒。業績から見た割安さ的にも、株価推移的にも2008年後半からの上昇は大きく期待できる。

http://www.china-stocks.net/glavse_04.tif


ベトナム株の問題点

・低い流動性
 現在、ホーチミン証券取引所は手入力。
 ターミナルの限界30億米ドルの外資資金は待機も
 大型IPO待ちほとんど外資系機関投資家はハノイ市場の取引を避ける

・情報が少ない
 国際的な機関投資家はブルームバーグなどの国際ベンダーの情報がないと投資が困難

・急激な増資
 急激な増資によって希薄化が著しく起こっており、業務拡大の恩恵を享受しにくい


参考銘柄

http://www.china-stocks.net/glavse_05.tif

SSI
http://www.viet-kabu.com/data/?id=SSI

HAP
http://www.viet-kabu.com/data/?id=HAP
http://www.ssi.com.vn/stock/general.aspx?sym=HAP

FPT
http://www.viet-kabu.com/data/?id=FPT
http://www.ssi.com.vn/stock/general.aspx?sym=FPT

VNインデックス
http://www.ssi.com.vn/stock/Interactive.aspx?sym=VNIndex


[ベト株]いよいよ割安感が戻ってきた!パート2(2/2)へ
http://minkabu.jp/blog/show/15699
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