暑くなりますとスパイシーなものが美味しく、
食欲をそそります。カレーライス、キムチ、冷
ややっこのショウガ、ワサビのきいた寿司・・
・等ですね。
私たちは、これらの香辛料の刺激を「辛い」
と表現しますが、辛いは「気苛(けいら)し」
からきた語で、すでに平安時代には記述が見ら
れ、当時から強い塩味にも香辛料の辛味にも使
われていたそうです。
隣の中国では、「麻」(まー、サンショウの
しびれる刺激)、「辣」(らー、唐辛子やコシ
ョウのひりひりと熱い辛さ)、「麻辣」(まー
らー、舌がしびれるような辛さ)、「辛」(し
ん、広い意味の辛さ)などと使い分けられてい
ます。
素材や水の持つ淡い味が好まれた日本に比べ、
古来より香辛料や濃厚な味付けが発達した中国
では、辛みを一語で片づけられないのかもしれ
ませんね。
サンショウ「花椒」・トウガラシ「辣椒」・
コショウ「胡椒」を総称して「三椒」と言い、
これが中国料理の辛みを作る代表的スパイスと
なっています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%9B%E5%91%B3
ところで、物を食べて感じる味覚(甘い・酸
っぱい・しおからい・苦い・うまい)は舌で感
じますが、「辛み」を感じるのは舌ではないそ
うです。カラシ・ワサビの辛みは揮発性の辛み
成分が鼻を抜け粘膜を刺激することで感じ、サ
ンショウやトウガラシの辛みは、成分が人体の
痛点を刺激して「痛み」として感じるそうです。
いずれにしましても、暑くなるこれからの時
期、スパイスを上手に使うのもまた「食」の楽
しみです。