木下 晃伸さんのブログ
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モラトリアム相場から巨大バブルが生まれる可能性
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●【本日のニュース】/インドの物価上昇率、マイナスに転じる
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インド政府が18日発表した6月6日までの1週間の卸売物価指数(速報値、1993年度=100)は232.7となり、前年同期比で1.61%低下した。農産物と石油関連の価格が低下しているのが主因。
同国の代表的な物価指標である卸売物価指数がマイナスに転じるのは、現在の統計基準を採用した93年度以降では初めて。1年前の物価上昇率は11.7%だった。
(2009/06/19日本経済新聞朝刊7面より抜粋)
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【ニュースの深層】モラトリアム相場から巨大バブルが生まれる可能性
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。
経済アナリスト、木下晃伸です。
■インフレに悩んでいたここ数年がまるで嘘のような統計が出ました。
インドで代表的な物価指標である卸売物価指数がマイナスに転じた、というのです。
これは、現在の統計基準を採用した93年度以降では初めて。
このニュース、一面トップ記事級の扱いをすべきではないか、と思うほどの記事です。
■インフレで最も気をつけなければならないのは、「資源価格の上昇」。
世界景気を結果的にどん底に突き落としてしまったのは、08年7月に行なったECBの利上げは、資源価格の高騰によるインフレ懸念。
それほどまでに、インフレは新興国だけでなく、世界経済を悪化させてしまうのです。
■インフレは物価上昇によって私たちの眼にもハッキリと映るわけですが、その物価上昇率がマイナスになった、ということは歴史期的なことなのです。
それは、なぜか。
なぜなら、インドはGDP成長率が鈍化するとは言え、5%程度の伸びが期待されています。
つまり、需要は伸びている。需要が伸びているということは通常物価上昇率はプラスで推移するはず。それがマイナスということは、どれだけギャップがあるのか、ということ。
そのギャップとはもちろん「資源」。
■例えば、原油の主要指標であるWTIが1バレル30ドル台から70ドル台にまで回復してきました。
それでも、まだ物価上昇率がマイナスということであれば、さらに資源が上昇するということになる。
また、「低金利」とのギャップもあります。
インフレを抑制するためには「利上げ」をする必要があります。さきほどのECBの例が好例でしょう。
しかし、物価上昇率がマイナスであれば、利上げをする必要がなくなります。
勢い、リスクマネーが膨張することになる。
■過去の歴史を振り返ると、危機時には「次のバブル」の発生が醸成されているケースがよく見られます。
今回の世界的な住宅、資源、エマージングバブルも、振り返ればITバブル崩壊という危機時に醸成されていました。
100年に一度の危機対応が、次の巨大バブルを生み出すことになる---------
現実的なことではないか、と考えています。
(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)
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