徳は、事をなす基礎となる  6

天、我に薄くするに福をもってせば、吾、吾が徳を厚くしてもってこれを迓えん。

天、吾を労するに形をもってせば、吾、吾が心を逸にしてもってこれを補わん。

天、吾を阨するに偶をもってせば、吾、吾が道を亨らしめてもってこれを

通ぜしめん。天かつ我をいかんせんや。


(天が幸福を少なく授けてくれたら、われは徳を厚くして迎えよう。

徳を高めて幸福をかちとるだけである。天がわれに苦しい仕事をさせて

肉体を苦しめようとするなら、われは心を楽にしてこれを補おう。

天がわれに進退きわまるような苦境に落とそうとするなら、われ、

初心を貫くようにしよう。

こうであれば天としても、わが強固な決意にどうすることもできないであろう)


引用  菜根譚を読む 著者 井原隆一
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