支援材料)
①各国が打ち出した景気対策の効果が顕在化しつつある⇒世界経済の最悪期通過観測
②ストレステストを経て、金融システム崩壊の危機回避に対する安堵感
③豊富な待機資金
④クリーンエネルギーの促進という核の存在⇒政策に売りなし
懸念材料)
①ストレステストの信憑性⇒景気が一段と悪化すると予測すると5992億ドルの損失が発生、10社で資金不足の恐れがあり、健全性を保つには1850億ドルの追加の自己資本が必要。1-3月期に1104億ドルの資本増強をしたが、なお46億ドル不足と結論つけた。
景気悪化シナリオの前提条件
2009年 2010年
実質成長率 -3.3 0・5
失業率 8.9 10・3
住宅価格指数 -2・2 -7
・失業率の前提が甘すぎるのではないか?
⇒不良債権の額はもっと増えるのではないか?
②財政赤字拡大による米長期金利の上昇
③ドルに対する信任の低下
←住宅ローン金利を上げたくないので国債を買い取る
④PPIPによる米金融機関の不良債権買取の成否
⑤中国の景気回復の持続性
⑥商品価格の上昇によるスタグフレーションの進行に対する懸念
グリーンシュート(新芽)がみられる状況に)
景気後退のペースが緩和し始めている。
5月の消費者信頼感指数が大幅改善⇒高まる景気回復と株価上昇の期待
「期待指数」が「現状指数」を上回る
⇒2002年、2003年も期待指数が現状指数を上回った後株価も上昇→今回も?
グリーンライトがともった可能性)
①5月の消費者信頼感指数:4月の40.8から54.9へ。上昇幅は03年4月以来最大。今後6ヶ月の期待指数は4月の51から72.3へ。米国がリセッション入りした07年12月以来の高水準
②日本経済・日経平均と連動性が高いOECD景気先行指数の12ヶ月間変化率(3月、5・11発表)が2月のマイナス9.47から9.45へとわずかながら改善。世界経済の循環的な底入れが示唆された。
海外機関投資家・HFが日本株を見る上で重要視している。
⇒3月が大底をつけたことの証拠となる
12ヶ月間変化率がマイナスに転じてから底を打つまでの最長期間は1973年~1974年(オイルショック)の13ヶ月。今回マイナスに転じたのは2008年3月から→もう1年以上たっている
③4-6月期の日本のGDPはプラスに転じるとの見方
・リーマンショック以降の急激な輸出の減少が設備投資や個人消費などの内需に波及。
寄与度 08年10-12月期 内需:-0.6 外需:-3.2
09年1-3月期 内需:-2.6 外需:-1.4
・期待が持てる海外需要の持ち直し
4月の貿易統計(速報、現数値、通関ベース)では輸出額の減少率が2ヶ月連続で縮小した。米国向けは前月比マイナスだが中国をはじめとするアジア向けが好転。
・輸出の底入れ、在庫調整の進展から4月の鉱工業生産指数上昇
鉱工業生産指数2ヶ月連続の上昇(4月の前月比5.2%の上昇は56年ぶりの上昇率)
製造工業生産予測指数も5月が前年同月比8・8%上昇、6月も2.7%上昇。
④米製造業の景況感改善は株式市場の大きな支援材料となる。
・ISM製造業景況指数:50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。41.1がGDPゼロ成長との分かれ目。
・中国、日本も景況感が改善(景気ウォッチャー調査・先行き判断DI/中国PMI)