世界同時株安の真犯人)
なぜダウが一日で400ドルも下がったか?
←2007年2月までダウは継続して上昇してきており、米国市場の投資家が、いつバブルが崩壊するか不安にさいなまれながら投資を続けていたから。
上海市場の暴落というローカルな現象が引き金となり、もともと不安定となっていた米国市場が動揺した。そして米国市場の暴落が世界中に伝播した。
バブル崩壊における3要素)
①バブル崩壊がおきるのは、誰もがバブルであることを知っているから。一旦売りとなったら全員が売りに回り価格は暴落する。
②バブル崩壊というコンセンサスを得られる可能性があるイベントが起こること。
上海の暴落だけでは不十分で、ダウの400ドルの暴落が必要であった。
③将来に関する市場全体のムード
将来に対してネガティブであることが必要。将来=長期的な見通しに関する、来週や来月における市場の見方。
来週や来月の市場の雰囲気が将来について悲観的かどうか、今日の時点で予想されるもの。
何かのきっかけで株価が暴落してもそれだけではバブル崩壊にならない。多くの投資家が将来に対して楽観的であれば、暴落は買いのチャンスとなってしまう。
典型的なバブルは、一旦崩壊しかかってから急激に上がり、最後の花を咲かせる。
バブルは一度目の価格暴落では崩れず、二度目以降の価格暴落で本当に崩壊する。
上海発世界同時株安でバブル崩壊とならなかったのは③の要素がかけていたから。
暴落直前まで市場は強気ムード、将来の株価に対して強気であり、バブルの最終的な崩壊を食い止めた。
2.サブプライムショック
2007.8.9 パリバショック→米国の住宅市場の問題が欧州の金融機関にまで波及したことは大きな衝撃であった。
2007.8.9~8.15 米国市場の暴落
2007.8.16 米国セリングクライマックス(引け前30分で急騰)
2007.8.17 日本市場→16日の米国市場の流れを受けると思われたが急速に円高が進んだことによりパニック売りで大暴落。
FRB緊急利下げにより終息
特徴)①世界の株価はニュースが流れることによって動きが生まれているのではなく、米国市場の動きに振り回されているだけである。
ファンダメンタル(企業の収益や経済全体に関するニュース)に株価は反応するが、その反応後はニュースとは関係なく株価が乱高下する。→ファンダメンタルが原因となった株価下落は暴落のごく一部であった可能性を示唆している。最もサブプライム関連証券を保有していなかった日本市場が最も激しい暴落に襲われたことがこのことをあらわしている。
世界金融市場の混乱はサブプライムローン市場が崩壊することによって米国経済が景気減速へ向かうことにより生じているわけではない。
②1日の値幅変動が激しかった。引け前30分(魔の30分)に急騰、急落、日々乱高下しているだけでなく、1日のかなでも乱高下していた。ファンダメンタルとは関係のない値動きをしていることの証左である。
株価を動かしているのはファンダメンタルではなくセンチメントである。
⇒このような状況では市場の流れを作れるほどの影響力のある投資家は仕掛けをしたくなる。株価を大きく動かして流れを作れば他の投資家たちがついてきて流れが加速する。
結果、株価は常にオーバーシュートする。乱高下のかなりの部分が大きくオーバーシュートした動きによるものであり、ファンダメンタルズとは関係なく、個々の投資家のセンチメントだけでは説明できない仕掛けによるものである。
日本市場17日の暴落の要因)
①常に外国人投資家の動向を窺っているため仕掛ける側の格好のターゲットとなっている。
②円高に対するワンパターンな反応。
③円キャリー取引の解消⇒全てのリスク資産に対する投資の引きあげ
市場の操作と群集心理)
①ファンダメンタルは無力である
②個々の投資家の内面の心理が株価の変動を作り出し、その心理は群集化する。すなわち暴落局面では、株価の変動および市場のうねりは群集心理により支配される。
③群集心理に支配された株価を動かすために群集心理を支配しようとする投資家が存在し、株価はそのような投資家によって動かされる。
2月の暴落と8月の暴落の違い)
2月⇒暴落は1週間で終了し、反転したがその後再度下落、その後力強く上昇トレンドへ復帰。バブル崩壊の③の要素がかけていたためバブル崩壊とはならず。
8月⇒市場の乱高下は1ヶ月続く。証券化商品市場が壊滅的打撃をこうむる。バブル崩壊の3要素が全てそろっていた。
2月の暴落と8月の暴落との共通点)
①多くの投資家が投売りをし尽くしたときに反転が始まった。
②当初は乱高下をしながら上昇していくため、短期の反発であるのか上昇トレンドに戻ったかの判断がしにくい期間があった。
③乱高下を経た後に力強く上昇トレンドを作っていった。
2度目はアウト)
1回目の暴落⇒ほとんどの投資家は暴落前のバブルで含み益を膨らませており、余裕がある。ファンドが解散させられるという心配はなく冷静に売買できる。全ての投資家が冷静で投売りにせまられることもない。財務的な余裕が心理的な余裕を生み、合理的な行動をとらせる。
2回目の暴落⇒含み損を抱えたファンドは解約を迫られ投売りを始める。1度目の暴落でセンチメントが傷ついた結果次の暴落に耐えられない精神状態になってしまっている。
3.世界同時暴落スパイラル
2度目以降の暴落においては、誰の目にも回復の見込みがないことは明らかであり、買いチャンスだなどとは誰も思わない。買い手は不在である。売り手は破産を逃れるため、清算のため、全ての資産は投げ売られる。選択肢などなくただ売られてしまう。
HFの仕掛け)
恐怖感を利用してHFに慮る仕掛けが暴騰、暴落の双方向へと行われていた。
恐怖相場では上へ仕掛けられることも多い。
仕掛けの基本は大量に売り浴びせて恐怖を絶望に変え、心理的に打ちのめされた投資家の投売りを誘い、機械的なポートフォリオマネジメントをしている機関投資家などの機械的な損切り売りを誘う。そして暴落後に他の投資家たちが投売りをしつくしたところで仕掛けた側は暴落の底値で買い戻す。
投げ売って損失を確定させた投資家は上昇を仕掛けられるとさらに動揺する。自分が投げ売った直後に反転上昇を仕掛けられると、急反転、急上昇を目の当たりにして投げ売ってしまったことに対する後悔と自己嫌悪で狂いそうになる。狂いそうということはまだエネルギーがわずかに残っているということである。最後の力を振り絞って急上昇の波に飛び乗り、買戻しに走る。この買戻しも機敏に動き、底値で買い戻せれば多少は損失とプライドを取り戻せる。しかし、「これ以上損失を出したら」という恐怖に怯えている投資家の場合は、市場の株価が底値から反転して上昇局面となってもすぐには飛び乗れない。彼らは急上昇を唖然と眺めた後、その急上昇が一時的出なく持続的になってきたとき、我に返り、買戻しをする。もともとも後悔に急反転のときすぐに買わなかったという後悔が加わりあせって買い戻す。
HFは最後の投資家が入ってきたタイミングを捉え、2度目の利益確定を狙って一気に売りに回る。個々で買ってしまった投資家は損失を膨らませるだけに終わる。
4件のコメントがあります
1~4件 / 全4件
ネコ株さんこんばんわ☆
工学、、、金融工学なんてのもありますし、有名な方で工学部出身の経済学者さんもけっこういますよね^^
金融工学の本は読んだけどぜんぜん理解できませんでした(汗)
あたしは理系ぜんぜんだめ、、、
ネコ株さんならオプションのプライシング理論とか理解できるんだろ~なあ、、、
工学、、、金融工学なんてのもありますし、有名な方で工学部出身の経済学者さんもけっこういますよね^^
金融工学の本は読んだけどぜんぜん理解できませんでした(汗)
あたしは理系ぜんぜんだめ、、、
ネコ株さんならオプションのプライシング理論とか理解できるんだろ~なあ、、、
こんばんは。
得意分野というか専攻は工学です。
で、まあ、経済勉強で株をしてます。
(最近、ちょっとやりすぎかも・・・)
企業の技術的優位性と経済的優位性は異なるので、
株売買にはあまり有益な知識ともならないのですけど。
株以外でも、理系ネタでお困りのさいは、お気軽におこえかけくださーい。
明日から、かなりデンジャラスな相場になりそうですね。
大火傷しない程度に、ちょっとだけ遊んでみます。
得意分野というか専攻は工学です。
で、まあ、経済勉強で株をしてます。
(最近、ちょっとやりすぎかも・・・)
企業の技術的優位性と経済的優位性は異なるので、
株売買にはあまり有益な知識ともならないのですけど。
株以外でも、理系ネタでお困りのさいは、お気軽におこえかけくださーい。
明日から、かなりデンジャラスな相場になりそうですね。
大火傷しない程度に、ちょっとだけ遊んでみます。
ネコ株さんこんばんわ☆
セミナーは無料のウェブセミナーなので、ぜひ活用されることをお勧めします^^
本は、読んでみてよかった本の内容をまとめてみようと思ってます^^
>個別銘柄の調査時に、技術・工学的に不明なことがありましたら、いつでもメッセージください。
たよりにしてます~☆
これから個別勉強はじめようとおもってますので、、、
得意分野ということは、ネコ株さんは経済学部???
セミナーは無料のウェブセミナーなので、ぜひ活用されることをお勧めします^^
本は、読んでみてよかった本の内容をまとめてみようと思ってます^^
>個別銘柄の調査時に、技術・工学的に不明なことがありましたら、いつでもメッセージください。
たよりにしてます~☆
これから個別勉強はじめようとおもってますので、、、
得意分野ということは、ネコ株さんは経済学部???
月とスッポンさん、こんばんは。
セミナーに本と、ほんとに熱心ですね。
しかも内容もレベル高いですし。
とても参考になります。
バブル・・・
人間が強欲である限り、これからも大小様々なバブルが発生するんでしょうね。
今の不景気の株高も、このバブル理論そのまんまかもしれませんし。
いつも有益な情報ありがとうございます。
(こちらの日記はレベルが低くて申し訳ないくらい)
個別銘柄の調査時に、技術・工学的に不明なことがありましたら、いつでもメッセージください。
そちらは得意分野ですから。
セミナーに本と、ほんとに熱心ですね。
しかも内容もレベル高いですし。
とても参考になります。
バブル・・・
人間が強欲である限り、これからも大小様々なバブルが発生するんでしょうね。
今の不景気の株高も、このバブル理論そのまんまかもしれませんし。
いつも有益な情報ありがとうございます。
(こちらの日記はレベルが低くて申し訳ないくらい)
個別銘柄の調査時に、技術・工学的に不明なことがありましたら、いつでもメッセージください。
そちらは得意分野ですから。