バブルのイメージ
①バブルの最中にはみんな熱狂してしまって、誰もがバブルであることに気づかず投資してしまう。
②バブルに投資することは明らかに失敗で、後で振り返って、バブルであることに気づいていれば投資しなかったのに、と後悔する
③バブルは危険なものであり、賢明なプロの投資家は近づかず、素人が下手に手を出して失敗するケースばかりである。バブルの疑いのあるものには決して近づいてはいけない。
④バブルは危険で経済に大きな被害をもたらすものであるから、社会としても、政府としても、バブルつぶし、再発防止に取り組む必要がある。時代の進歩とともに、金融市場の発達、金融知識の広がり、投資家の成熟が進み、バブルの発生頻度、度合いは時代を経て小さくなっていくし制御も可能になってくる。
これらは全てあやまりである。
1.上海発世界同時株安
2007.2.27 上海市場9%下落
2.27、2.28の下落率
日本 611円 3.4%
香港 4.2%
英国 4.1%
ダウ(27日) 416ドル 3.3%
TV報道) 世界経済に対する中国の影響力が高まったことの表れ。
専門家) 上海市場バブルが崩壊した
実際は・・・
当日は連動せず、ダウ暴落の翌日に暴落
結果) 上海が下がれば世界が下がると頭に刷り込まれ、上海と世界株式市場が連動する。
⇒しかし連動はすぐに消失。もともと上海市場が世界市場と連動するはずはない。
理由・・・外国人が上海市場に投資するには規制がかかっており、上海市場における投資家は国内の投資家であった。
本当の原因)
円キャリー取引を行っていたHFがパニックに陥っている投資家の投売りを誘発するために売りあびせを行ったことによるものであると推測される。
実際に円キャリーが存在したかどうかは重要ではなく、当時の投資家たちが、円キャリー取引が行われていると信じていたことが重要である。
「円キャリー取引の巻き戻し」についても同じ。
円高=円キャリーの巻き戻し=円相場の上昇=リスク資産の引き上げ=株価下落という連想で皆が株を売る。
⇒為替が独自の要因で動いたとしてもそれが株を売る理由になる。HFによる仕掛けの円買いだったとしても、その要因や背景は関係なく、全ての投資家が、株は売り、という反応をした。
⇒HFは円高と株安を同時に仕掛け、相乗効果によりスパイラル的に円の急騰、株価の暴落を引き起こし大きな利益を上げた。
恐怖感に駆られた相場はオーバーシュートする。しかし行き過ぎた株価は必ず戻る。
2007.3.6 円高が止まったことを受け、世界同時株安のパニック売りは終了する。HFの仕掛け売りも打ち止め。
考察)上海市場の暴落はバブル崩壊とはいえない。
暴落は一時的であり、暴落直後から継続的に上昇した。
バブルが崩壊したのであれば市場はその後低迷を続ける。
2007.2~11月 上海市場急騰
皆がバブルではないかと思うくらい上がりすぎたところからさらに上がった。
⇒割高だからといってバブルとは限らない。
バブルかどうかについては、その価格水準自体は関係ない。
高すぎるからといってそれをバブルと決め付けるのは危険。
→明らかにバブルであり、それが直ちに崩壊するのであれば空売りをしたくなるから。
簡単に儲けられそうな時は危険である。
「バブルにはむかってはいけない」
バブルはバブルであっても、いつ崩壊するかわからず、非合理的な水準になってもそこからさらに上がる可能性があるので、下がると思って投資するのは危険である。
ほとんどのバブルにおいて、一度崩れかけてから再び上昇するという現象が多い。
崩れかけた後の上昇はむしろ以前よりも激しくなることが多い。
この急騰後に真のバブル崩壊が起こるというのが典型的なパターン。
←投資家の入れ替えが行われるから。
バブルが一度崩れかけると、これ以上上がり続けるかどうか自信の持てない投資家は売却してしまう。一度崩れかけたところで買った投資家は皆強気で、上昇が継続することを信じているので誰も売ろうとしない。したがって売り手不在となり急騰する。
しかし、次に崩壊のサインが出れば直ちに売却しなくてはと身構えている。
なぜならバブルに乗って儲けようとしている自分たちのような投資家以外に買いたいと思う投資家はいないことを知っているから、一旦価格が下落すれば買い手不在のため価格は一気に崩れて売るチャンスを失うことを認識している。
したがってあまりに急騰すると今なら儲けを確定できると思い、早く自分の株を売ってしまいたいという衝動に駆られる。
→誰かが売り始めたら他の投資家も売り始める。暴騰は暴落のきっかけになる。
バブルにおいてはほとんどの投資家が、それがバブルであるということを認識しており、いつでも逃げられる態勢を整えている。
2件のコメントがあります
1~2件 / 全2件
トラフにーるさんこんにちわ☆
>40年後の1989年大納会で38915円となり200倍以上になりました。
すごい、、、さすが高度成長期の日本、、、今の新興国と同じですね~
バブル崩壊についてはあたしはまったく知識がないので、バブル崩壊を実際に経験した方の意見はすごく参考になります^^調べようにも当時の資料はあまりなくて、本でチラッとよむくらい、、、何が原因でバブルが起こって、当時の状況がどのようなもので、バブル崩壊の原因がなんだったのか、、、一度ちゃんと調べてみたいんですけど、、、
トラフにーるさんのバブル崩壊日記とかあると面白いかもです(笑)
>40年後の1989年大納会で38915円となり200倍以上になりました。
すごい、、、さすが高度成長期の日本、、、今の新興国と同じですね~
バブル崩壊についてはあたしはまったく知識がないので、バブル崩壊を実際に経験した方の意見はすごく参考になります^^調べようにも当時の資料はあまりなくて、本でチラッとよむくらい、、、何が原因でバブルが起こって、当時の状況がどのようなもので、バブル崩壊の原因がなんだったのか、、、一度ちゃんと調べてみたいんですけど、、、
トラフにーるさんのバブル崩壊日記とかあると面白いかもです(笑)
こんにちは、1949年に東証が取引を再開した時の日経平均は176円でした。40年後の1989年大納会で38915円となり200倍以上になりました。
その翌年1990年に38%下落して戦後最大の値下がりとなりましたが、この時点ではほとんどの投資家は楽観してました。
異変に気づき始めたのは1992年になってからでした。
日銀が金利を下げても、下がり続ける株価や地価を見てこの頃からバブルが崩壊したと言い始めました。
市場が事実を認識するのに2年以上かかりました。
なお日経平均の年間下落記録は昨年42%となり、記録更新となりました。
その翌年1990年に38%下落して戦後最大の値下がりとなりましたが、この時点ではほとんどの投資家は楽観してました。
異変に気づき始めたのは1992年になってからでした。
日銀が金利を下げても、下がり続ける株価や地価を見てこの頃からバブルが崩壊したと言い始めました。
市場が事実を認識するのに2年以上かかりました。
なお日経平均の年間下落記録は昨年42%となり、記録更新となりました。