エミクロくんは今のところ無職でフラフラしているが
田園調布のお菓子教室にも通っている。
この教室はちょっとお菓子教室にしては無理があるんじゃないかと
思えるようなばか高い(と思う)月謝を取っていて、しかも
とてもばかげたピンクのエプロンを着て調理するようだ。
最初に行ってきた日にエミクロ君はそのエプロンを広げて見せた。
その色とデザインに思わず吹き出した僕がそれ本気?みたいな事を言うと
「でしょう?でもこういうのが似合う感じのお嬢様、
というかお嬢様出身だろうなって人が来てお菓子を作ってるのよ」
と説明されなるほどと納得した覚えがある。
元々ケーキに関してはとてもおいしいものを作れるエミクロくんだが
ある日家に帰るとリボンがつけられたケーキがテーブルに
置かれていた。
すでに日付は変わっていて、真っ暗な部屋の
ケーキの真上のランプだけが点灯されており


