今日の日経平均株価は121.19円、1.31%の上昇となりました。想定を上回る上昇です。東証1部で見ると、東日CLGや石川製作所など、低位で仕手性のある銘柄群が活躍しました。有楽土地や大京などの不動産株の上昇も目立ちました。個人投資家の資金が市場を押し上げたようです。
先週金曜日の米国株式市場が落ち着いた動きで、しかも月曜日は休場、国内では明確な市場牽引役が見えない中で、100円を上回る大きな上昇は意外でした。
94円台にあった対ドル円レートが95円台前半になったことや、いつもの「根強い景気回復期待感」という理由が底流にあったと思われます。
ただし、気になる点がいくつかあります。
まちまちな動きを見せたアジア市場の中で、日経平均株価の上昇率が目立って高いこと、国内でもTOPIXに比較して上昇率が高いこと、しかもその上昇幅のかなりの部分が午前9時半を中心に非常に短時間の間での出来高を伴った上昇によるものであること、などです。
単なる仮定の話ですか、もし巨大な資金力があって、今日のような条件がそろった日であれば、朝方に思い切って日経225の主力銘柄に買いを入れておけば、高い水準の株価をある程度維持することが可能でしょう。明確な買いの理由が見当たらないだけでなく、明確な売りの理由も見当たらないからです。そこで、多少時間をかけて(たとえば前場の引け直前などに)売り抜けることが可能になります。
もちろん、引け後に発表される5月の月例経済報告が基調判断を上方修正するという期待が株価を押し上げた可能性はあります。
その報告では、「景気は厳しい状況にあるものの、このところ悪化のテンポが緩やかになっている」としています。先月は「景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状況にある」という表現でしたから、明確な上方修正と言えます。
ただ、注意したいのは、この報告が発表されたあと、大阪の夕場での日経平均先物は、多少の動きをみせたものの、結局僅かながらも下落して終えていることです。
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