当面は公的資金申請や合弁設立の進捗に注目
09/3 期業績は、営業収入5,588億円(前の期比28%減)、営業赤字545億円(前の期は92億円の黒字)。3月末純資産は1,118億円で1年前から 57%も減少。10/3期まではリストラモードながら、不採算事業の終息と固定費削減により来期は営業黒字の確度が高まったと判断。同社は400億円規模の資金調達に向けて公的資金の申請も含めて検討中としているが、仮に現在の株価257円で今期中400億円増資した場合、10/3期末のBPSが200円弱となる。株価に依然割安感はなく、強気に転じるには時期尚早との従来見方を維持。今後注力するCE(カーエレクトロニクス)分野でかつての収益性を取り戻す道筋が見えておらず、回復も緩やかに留まろう。
10/3期会社予想については、CEで市販カーナビが新製品効果等により前期の62万台から70万台に伸びる計画が若干強めである以外は、市販カーCDの 2桁台数減やHE(ホームエレクトロニクス)の事業撤退による大幅減収など、総じて保守的な印象。構造改革による今期営業損益の改善効果約500億円の大部分はHE分野で、その内400億円弱は下期に効果が発現する見通しである。公的資金申請やシャープ(6753)との光ディスク合弁会社設立の進捗、カーナビの新製品を含めた販売動向などに当面は注目したい。リスク要因は、事業再編/提携の不調、資金繰りや資本増強を含めた財務リスク、自動車やAV製品の販売不振、その他には為替など。
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