【日立製作所】10/3期も大幅最終赤字で株主資本を毀損し…

TIW藤根 靖晃さん
TIW藤根 靖晃さん
10/3期も大幅最終赤字で株主資本を毀損し、資本増強の必要性が高まる

09/3 期業績は売上10兆3億円(前の期比11%減)、営業利益1,271億円(同63%減)。営業利益は2月公表値から871億円上ぶれて着地したが、高機能材料や電力・産業システムを中心に保守的だった為とみられる。一方、繰延税金資産の追加取崩しにより、最終赤字額は計画比拡大。10/3期会社側は、前期比11%減収、営業利益300億円、純損失2,700億円を計画。営業外で構造改革費用を1,000億円、他にも大幅な持分法損失も想定。2期併せて1兆円を超える最終赤字で株主資本が大きく毀損されネガティブだ。ルネサステクノロジへの追加支援の可能性もあり、資本増強の必要性が高まっていることに加え、不採算事業の改善に対する不透明感などから、株価は当面上値の重い展開をTIWでは予想。
自動車機器やデジタル民生機器を中心に今期は前期比2,000億円の固定費削減効果が期待できるものの、大幅減収による操業度低下、価格下落、為替影響等で相殺される見通しである。営業損益の会社計画には幾らかバッファーが織り込まれている可能性もあるが、現在の事業環境を考えれば大幅上ぶれは期待しづらい。これまで停滞していた事業選別/ポートフォリオ再構築を川村新社長の下で迅速に実行できるか、これから真価が問われよう。リスク要因は、不採算事業の損益改善の遅れ、電力・産業システムにおける海外不採算案件・追加コストの発生、原材料価格の更なる高騰、その他には為替など。

---------------------------------------------------
コンテンツ提供元 : 株式会社TIW http://www.tiw.jp/
---------------------------------------------------
関連銘柄
日立
TIW藤根 靖晃さんのブログ一覧