秀吉が一夜で城を築いたという挿話で有名な
墨俣(洲俣)は現在の岐阜県大垣市にあり、木
曽三川(木曽川、揖斐川、墨俣川)に挟まれた
この地は交通上及び戦略上の要地であり、「美
濃(現在の岐阜県の一部)を制する者は天下を
制する」として度々合戦の舞台となってきまし
た。
旧名墨俣川は現在の長良川。岐阜県の大日ヶ
岳を源流とし、一部で岐阜県と愛知県の県境を
なし、三重県を経て伊勢湾に注いでいます。清
流としても有名で、静岡の柿田川、高知県を流
れる四万十川とともに日本三大清流と呼ばれ、
上流はJTB選定の「秘境100選」、環境省
からは「名水百選」や河川で唯一の「水浴場8
8選」にも選定されています。
そして、長良川といえば鵜飼い(鵜を使った
鮎漁)。長良川の鵜飼いは毎年5月11日から
10月15日までで、今夜は代々世襲制の鵜匠
らによって鵜飼い開き(御料鵜飼)が執り行わ
れます。およそ1300年続く伝統漁法は、勇
壮な歴史絵巻のようで、見る者を幽玄の世界へ
と誘います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B5%9C%E9%A3%BC%E3%81%84
鵜匠の芸術的な技を目にしたチャップリンは
「ワンダフル」を連発したといわれ、松尾芭蕉
はその場を去る名残惜しさか、鵜の気持ちを思
ってか、はたまた永遠であってほしい時間の儚
さを詠んでか「おもしろうて やがてかなしき
鵜舟かな」という有名な句を残しました。
そんな鵜飼いの始まりも、夏の近さを感じさ
せます。