【投資脳のつくり方】資本増強による株価下落は“一過性”

木下 晃伸さん
木下 晃伸さん
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●【本日のニュース】/地銀大手4行が公募増資を発表
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米地銀大手のうち4行が11日、普通株による公募増資の計画を発表した。調達額はUSバンコープが25億ドル、BB&Tが15億ドル、キーコープが7億5000万ドルを見込む。キャピタル・ワン・ファイナンシャルは調達額は不明だが5600万株を売り出すことを明らかにしている。


キーコープを除く3行は米政府による資産査定(ストレステスト)で「資本増強は不要」との判定を受けた。調達した資金を利用し、これまでに受け入れた公的資金の返済を進める。


(2009/05/12日経速報ニュースより一部抜粋)



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【ニュースの深層】資本増強による株価下落は“一過性”
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。


経済アナリスト、木下晃伸です。



■昨日の米株市場は、金融株の下落により反落となりました。


※Dow Jones Industrial Average

http://www.google.com/finance?q=INDEXDJX:.DJI 


その背景にあるのは、これまであまりにも短期的に大きく上昇してきたため、利益確定売りが出た、というのが一般的な説明になるでしょう。



■また、もう一つの理由として、米銀大手が公募増資を行なうというニュースが矢継ぎ早に出た、ということも挙げられると思います。


公募増資を行なうと、株価の希薄化が起こります。つまり、公募増資は株価にとっては、マイナス面が強いニュースとなります。


しかし、一方で、公募増資を行う事で、財務体質が強化されることはもちろんですし、今回ご紹介したニュースのように、公的資金を返済するほどであれば、ますます健全であることが証明される、ということになります。


■昨日は、それらを総合的に勘案すれば、利益確定売りをするキッカケとして、公募増資が“利用”されたと考えられます。


しかし、いずれ公募増資を行なうことで財務体質が強化されたことを好感する動きが出る。それは、3月10日のシティグループ、パンディットCEOが発言した事をキッカケに株価が上昇した“第一波動”に続く、“第二波動”となると考えています。


“第二波動”は“第一波動”に比べてもより大きな上昇になる可能性があり、ここを取り逃すと、投資リターンに大きな差が出てしまうでしょう。


プロと呼ばれる機関投資家やヘッジファンドは、いまの上昇が本物かどうか逡巡していると思います。


株式投資をしていると、株価が下落することも怖いですが、もっと怖い事は株価上昇に“置いて行かれる恐怖”ということに気づきます。


いま、プロたちを悩ませているのは、その“置いて行かれる恐怖”でしょう。



■置いて行かれないために、資金を株式市場に流し込んでくると、そのときは巨額なものになる。


それが、“第二波動”が大きなものになる、と考える大きな理由のひとつなのです。


私は、昨日の公募増資による株価下落は、一過性と捉え、引き続き株価は上昇基調にあると捉えています。


(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)

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