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【本日のニュース】/クライスラー破産法申請
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米自動車3位のクライスラーが連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し、法的整理を活用した経営再建を目指す。米政府が30日、明らかにした。政府の追加支援を受け、イタリア・フィアットとの提携を軸に再建を急ぐ。
クライスラーの資産規模は約500億ドルで米での製造業の破産法申請では過去最大規模。世界の自動車産業を主導してきたビッグスリーの一角であるクライスラーの破産法申請は、米ゼネラル・モーターズ(GM)の再建計画にも影響を与えそうだ。
(2009/05/01日経速報ニュースより抜粋)
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【ニュースの深層】クライスラー破産法申請は、株価を下落させるニュースか?
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。
経済アナリスト、木下晃伸(きのした・てるのぶ)です。
■米自動車大手のクライスラーは4月30日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請しました。
昨日からニュース速報を眺め、本日の午前1時すぎにクライスラーが破産法申請のニュースが発表され、その後も株価の推移を見守っていました。
■まず、自動車株ですが、同ニュースにより、GMならびにフォードの株価は大きく上昇。ライバルが転ぶと、恩恵を受ける、と株式市場は判断した、ということになります。
※General Motors Corporation (Public, NYSE:GM)
http://www.google.com/finance?q=NYSE%3AGM
※Ford Motor Company (Public, NYSE:F)
http://www.google.com/finance?q=F
■一方、米NYダウは、ニュース報道後、下落の速度を速める結果となりました。
※Dow Jones Industrial Average
http://www.google.com/finance?q=INDEXDJX:.DJI
同じニュースに対し、悲喜こもごもの動きとなっていることを投資家はどう判断すればいいのでしょうか。
■結論から言えば、私は“債券市場”に注目し、悪材料出尽くしの動きと考えます。
それは、新興国の国債価格を表す、米ETF「EMB」を見ると分かるのではないか、と考えています。
※iShares JPMorgan USD Emer Mkt Bnd Fd ETF (Public, NYSE:EMB)
http://www.google.com/finance?q=EMB
「1d」という部分をクリックし、昨日1日の動きをチェックすると、クライスラー破産法申請のニュース発表後、価格が大きく“上昇”していることに気づかされます。
つまり、債券市場は、同ニュースを“ポジティブ”に捉えていることが分かるのです。
■昨年の株価下落の背景には、債券市場が急落する中で起こった信用危機(クレジット・クランチ)がありました。
その信用危機が再燃するどころか、逆にクライスラーのニュース報道で価格が上昇したということは、信用問題が回復に向かい、今後、更なる株高の期待が高まっている証拠、と考えることができるのです。
(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)
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