木下 晃伸さんのブログ

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ヒトの流れが止まることは、株式市場を冷やす

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【本日のニュース】/WHO、警戒水準「5」に引き上げ
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世界保健機関(WHO)は29日夜(日本時間30日朝)、豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザが世界各国に広がったことを受け、世界の警戒水準(フェーズ)を1段階上の「5」(2カ国以上で人から人への感染が拡大)に引き上げた。WHOが世界的大流行(パンデミック)が差し迫っていることを宣言した形で、世界の経済に大きな影響を与えそうだ。


(2009/04/30日経速報ニュースより抜粋)


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【ニュースの深層】ヒトの流れが止まることは、株式市場を冷やす
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。


経済アナリスト、木下晃伸(きのした・てるのぶ)です。



■マネーは、マネーだけが勝手に動き出すわけではありません。


マネーには、ヒトの欲望が蠢いています。だからこそ、マネーを考える時には、ヒトについても言及しなければ見誤ってしまうでしょう。


例えば、ある国に投資をしようと考えれば、該当国を視察するでしょう。または、沸騰する国がある、と聞けば人を派遣して調査させることになる。


その結果、マネーが動き出すわけです。そして、そうした動きに便乗しようと金融業界がマネーを膨張させ、動きを加速させる。



■しかし、豚インフルエンザのように、言ってみれば得体の知れない状況で、ヒトが好き好んで動き回ろうとは考えないはず。


実際、私も5月には米国出張を検討していたのですが、このような状態では、取りやめということになります。


私だけではありません。多くの企業、特にグローバルカンパニーが一斉に同じ動きとなったらどうか。


現実としてヒトの流れが止まる、ということは大変大きな経済ロスになるのです。



■実際、昨年の中国は、ヒトの流れが止まってしまったことが最大の打撃となってしまいました。


四川地震のような自然災害もありましたが、チベット騒乱のような人災、そして、中国製餃子問題のように食の安全面もクローズアップされてしまい、ヒトの流れが劇的に弱くなってしまったのです。


そのため、株価も大きく下落してしまった。


その流れは後々まで尾を引き、あの北京五輪時ですら、北京市に流入する外国人訪問客は、前年対比でマイナスという状況だったのです。



■その流れが回復し始めたのは北京五輪後。多くの投資家は北京五輪までは中国株に投資できるが、その後はダメだ、という論調だったように思います。


しかし、実際には、当メールマガジンやマスコミ媒体でも指摘した通り、北京五輪後こそ中国株投資を開始すべき、との予測通り、これだけの恐慌下でも中国株は堅調に推移しています。


その背景に、ヒトの流れが戻って来たという動きを見逃す事はできないのです。



■フェーズも「5」に上がり、ますます予断を許さなくなった豚インフルエンザ問題。


過度に心配をしてもいけない、冷静に対応を、とは頭で分かっていても、こと株式市場においては、やはりヒトの流れが止まってしまう以上、大きなマイナスインパクトがあると考えるべきでしょう。


投資においては、この問題を頭に入れておきながら、何を分析するか、そして分析結果をどう具体的な投資行動に落とし込むか考えていく必要があります。


そうなると答えは自ずと出てきます。結論は、今は焦って投資をするタイミングではなく「待ち」ということになるでしょう。


相場格言「休むもまた相場なり」を噛みしめるタイミングだと考えています。



■ただし、さらに重要なことは、いつ休みから脱却するのか、という仮説をも構築しておくこと。


私は早ければ【5月初旬】に再び投資タイミングがやってくると考えています。


休んでいても、いつもアンテナを張り巡らし、チャンスを狙って行く姿勢が求められることは言うまでもありません。



(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)

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