栃(橡)の木


アメリカ(ハワイ州などを除く)では8日の日曜日
から夏時間(サマータイム)に移行しました。夏時間
への以降により今晩からニューヨーク市場の取引開始
時刻が1時間早まり、日本時間では22時30分から
翌朝の5時00分までとなります。

 尚、イギリスとヨーロッパ大陸諸国は3月最終日曜
日の29日から夏時間入りします。
 

ところで、テレビ番組で「日本一影の薄い県」に選ば
れたこともある栃木県ですが、同県出身をウリにして
いるお笑い芸人の人気上昇とともに「栃木県」の知名
度が高くなりつつあります。そんな栃木県の県木、栃

(橡)の木
について少々ふれてみたいと思います。小
学生には、教材になっているため、絵本「モチモチの
木」に登場する木と言えば分かるのですが、マロニエ
(西洋栃の木)によく似た木で、大きなものは30メ
ートルくらいの高さにまでなります。花の時期は五月
頃で、鈴なりの花からとれる蜜は最高品種の一つ。栗
のような形の実は、どんぐりなどとともに古代の主食
の一つで、渋抜きしたものをもち米といっしょについ
た栃餅はあちらこちらで土産物として売られています。

 昔から生活に密接に関わってきたそんな栃の実を詠
んだ有名な歌があります。

「山川の末に流るる橡殻も 身を捨ててこそ浮かぶ瀬
もあれ」(空也上人)

 山間の川を流れてきた栃の実は、自分から川に身を
投げたからこそやがては浮かび上がり、広い下流に到
達することができたのです。転じて、一身を捨てる覚
悟があって初めて活路が開ける、という意味で下の句
が引き合いに出されます。

 我が身大事でそれに執着していてはなかなか道は拓
けてこない。執着を捨てて初めて拓ける道もあるとい
うことをこの栃の木は教えてくれます。「身を捨てて
こそ浮かぶ瀬もあれ」と。

日本橋ではたらく社長さんのブログ一覧