りんりん/Kさんのブログ
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中国、天津にて(25)
この天津日記の第2回目に、この日記を始めた動機の一つの大きな理由が書かれています。
大きなテーマですが、そろそろこの件にも触れてみたいと思います。
中国の上海に株式市場が開設されたのは、天安門事件の翌年の1990年12月9日でした。翌91年の7月3日には深圳証券取引所も営業を開始しました。
上海証券取引所開設の翌年より2006年末までの16年間の中国の国民総生産(GDP)の伸びは、平均9.6%にも及びます。
一方、株価のベンチマークである上海総合指数は、2001年6月14日に史上最高値の2245ポイントを付けました。
ところが、それ以降、株価は長い下落の道を辿ることになります。2005年6月6日には、遂に上海総合指数は998.23ポイントの最安値を記録します。
株価下降の理由は、様々な要因が上げられますが、要は新興市場故の未熟さが、大きな総括的要因の一つであるでしょう。
今から思えば、株価の底値を打った2005年とは、中国にとってエポックメーキングな政策発表の年でした。
中国政府は、胡新主席のもとで「全面的小康社会」(和諧社会=ややゆとりのある社会)の実現を発表し、2020年迄の達成目標を掲げ、発表しました。
注目の達成目標は、一人当たりの国民総生産(GDP)で2500米ドルとするなど12の具体的な数値目標を上げました。
05年の中国の一人当たりの国民総生産(GDP)は、1700米ドルでしたので、15年後の目標の2500米ドルは、約1.5倍の伸びを期待したものでした。
ちなみに、05年9月末の中国の外貨準備高は7690億ドルで、僅かこの2年間で約1.65倍に膨れあがったことになります。
話は、戦後の日本経済に飛びます。敗戦を経験した日本は朝鮮戦争特需等を受けて、経済発展のトレンドに移行してゆきます。
1950年から池田内閣の所得倍増政策が始まる1961年までの11年間の東京株式市場の日経平均株価は、85円から1829円へと21倍の伸びを示しました。
所得倍増計画が始まった1961年から、倍増が達成された1967年迄に、日本の国民総生産(GDP)は10%以上の成長率を示し「新興国型の経済発展」から本格的な「経済成長国」の段階に突入して行くのです。
ところが、おかしな事が起きます。
1959年5月には東京五輪が決定、新幹線や首都高速、名神高速の着工等で所得倍増計画の達成に弾みがつき、高いGDPは維持されますが、1961年の日経平均1829円の高値以降、1964年10月の東京五輪を挟んで、1965年の日経平均1020円の最安値まで、4年間の株価の調整(実に44%の下落)を経験します。実態経済の高成長が、株価に反映されなかった時期です。
しかし、この65年の1020円の最安値以降は、日本経済の好調さに株価も歩調を合わせるようになります。
ついに、1989年には日経平均は38900円と実に38倍にも膨らみ、ご存じのようなバブルの崩壊に至ります。
もっとも、バブル崩壊のこの年の日本の国民総生産(GDP)の伸び率は、僅かに4.3%と新興国からも見劣りし「経済の成長国」から既に転落していたのです。
私が、中国株式市場で疑問に感じていたことを、過去の日本市場は既に経験していました。
そこに、気付いた瞬間が、私の中国株を見るエポックメイキングな瞬間になりました。
現在の中国株式市場を、日本の経済学者や株式関係者は「中国株、バブル崩壊の危機」といい、いずれ近日中に「崩壊」と予想し続けました。
今年2月のNY市場の下落を上海ショックと言ってみたりしましたが、見当違いでした。サブプライム問題の下落で苦しむ他市場とも無縁でした。
いつまで経っても株価の「下降」が起きないのを知ると、沈黙を決め込んだようです。
中国株を推奨する側の評論家は、中国株の状況は「潰れないバブル」とまで言う人まで現れました。
しかし、予想は所詮「予想屋」の戯れ言です。「予想」を反対から読めば「嘘よ」と言うことになります。
はっきり言えば、中国経済は、新興国市場の段階を超えて、どうやら永い「成長国」段階に入ったようです。
将来の大きな甘い果実は、時間を掛けて青い段階から、これからが紅い実となる本格的な成熟、その後の摘み取りへと向かうはずです。
<つづく>
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1000%福田関連とは、関係ないと御叱りを受けるかもしれませんが、1%?ぐらいは連想しそうな株を伝えておきます。
それは、「 中国関連企業 」です。
理由は、福田氏が、北京オリンピックを支援する議員の会、副会長を務められているということもそうですが、
小泉政権下で官房長官在職中のおり、台湾の李登輝前総統が病気治療目的で来日を希望した際に、「中国」への配慮から、河野洋平外相と共にビザ 発給に反対したという、中国ビイキじみているところからもこれはゆるがせに出来ないと思います。
そして、「中国」が靖国神社参拝に反対していることなどにも一定の配慮をすべきこと、憲法改正には周辺国の理解が必要と主張していることなどからも、仮に、首相となったのちも、くだんの靖国神社に参拝することはないと考えられることが濃厚です。しかも、アジア外交重視派ときたもんだ。
間違いなく、「中国関連企業」は、福田氏首相就任にが現実となれば、中国との緊張緩和と友好強化?が促進される事に伴い、商売はこれまでよりも、相当やり易くなると思われ、収益面にも良い影響があるのではなかろうか。?
具体的な銘柄は、YAHOOファイナンスのサーチナで「中国関連日本株」という一覧がありますのでヨロシケレバ、その中から、良いものを探してみるのも面白いかもしれません。
ご無沙汰しておりました。
サブプライム後の中国株の上昇はすごいものがありますね。
あがりすぎて不安になるくらいです。
東京五輪の時代やいまの中国にいるわけではないので、実感として受け取るのは難しいですが、そこで生活していればきっと実感できるくらい急速な速度で発展しているのでしょうね。
新興国と成長国の違いもきっと。
成熟期へ向けての過渡期ということなら、長期スタンスのわたしとしてはあまり気にならないのですが、わたしの知らない何かが中国で起きているのかなとも不安になります。