すでに決算のピークは過ぎましたが、財務諸表を読み解き投資の判断をされる方は多いかと思います。
ただ、財務諸表を初めて見る方もいるかと思います。そういった方にとってはおそらくこう思うのではないでしょうか。「財務諸表なんて会計の知識がないと数字の羅列で何がなんだかわからん!」。
心配は要りません。会計知識がなくとも財務諸表を読み解くことはできます。私も営業マン時代に中小企業診断士の勉強で財務諸表についてさらっと学びました。そこで感じたのは営業マンにとって必要なのは簿記や会計の知識ではなく、実践にすぐに役立つことだということでした。
分厚い会計本なんか読まなくても、これさえ覚えておけば読み解くことができるポイントがあります。
皆さんも財務諸表にはPL、BS、CFの3つあることはご存知だと思います。チョー簡単に言うと以下のとおりです。
①PL(損益計算書):結果
②BS(貸借対照表):状態
③CF(キャッシュフロー計算書):流れ
「簡単過ぎるやろっ!」と言う声はひとまず置いておきましょう。
①PL(損益計算書)のポイント
・売上総利益(ビジネスモデルに優位性はあるか)
・営業利益(本業で儲けているか)
・経常利益(総合力はあるか)※長年重要視されてきた
②BS(貸借対照表)のポイント
・資産の部(流動資産の割合が60%以上あるか)
・負債・純資産の部(純資産の部が60%以上あるか)
・全体(純資産が固定資産を上回っているか)
③CF(キャッシュフロー計算書)
・営業CF(毎年増えているか:+表示)
・投資CF(営業CF範囲内で投資が行われているか:-表示)
・財務CF(毎年借入金の返済が行われているか:-表示)
全てが上記のようになっているとは限りませんが、基本を理解しておけば後は少し視点を変えるだけです。
その他にも会計発生高、繰延税金資産、特別損益、実効税率やROE、ROAなどがあります。これらは上記の内容を確認した後、投資判断をする際の補填材料となります。
まずは企業の財務諸表を読むことから始めましょう。その際は前期比や同業他社比を必ず行ってください。比較することは読み解く上で不可欠です。比較する際は額よりも率で行ってください。
今や優良企業でも繰延税金資産の評価減(見通しの悪化を先行している)、多額の特別損失(リストラを実行する)を計上しています。
こういう時こそ、将来への投資としてゆっくり時間をかけて財務諸表を読み解く勉強をすることをお勧めします。