ひさっちさんのブログ

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ユニクロ会長 「金融危機はいい傾向」

ユニクロを展開するファーストリテイリング会長の柳井氏のインタビュー記事です。

金融危機がいい傾向だと言うのは少々言いすぎな感もしますが、それだけ自信に裏付けられているという事でしょうか。
言っていることはおもいっきり正論だと思いますけど。




【核心インタビュー】ファーストリテイリング柳井正会長兼社長
http://kigyoka.com/kigyoka/public/news/news.jsp?id=971

世界的な金融危機の影響で名だたる企業の下方修正が相次ぐ中、ヒートテックやブラトップなど独自の商品を武器に、08年8月期は売上高11.7%増、営業利益34.7% 増と一人勝ちを続けるファーストリテイリング。会長兼社長の柳井正氏はいかなる経済環境にあっても、前年比2割アップ以上でなければ成長とは言えないと檄を飛ばす。2010年に1兆円企業を達成、さらに世界ナンバーワン企業へとひた走る。その武器としてファーストリテイリング(FR)大学を創設、200人の経営者育成に着手した。そのチャレンジ精神は留まるところを知らない。  (聞き手は本誌編集長 徳永卓三)

金融危機は世界の新しい秩序をつくるチャンス

問 今回のリーマン・ブラザーズに端を発する世界的な金融危機についてはどんな風にとらえておられますか。

柳井 いい傾向だと思っています。今まで金融主導というか、実体経済でなく投機家的な傾向が強すぎた。それではグローバル経済は回らないということが今回はっきりわかりました。投資銀行はあまりにも強欲。金儲け主義がはびこり、世界の金融機関が投機家集団となり、国の規律、倫理が狂っていたんじゃないかと思います。世界をアメリカの投資銀行が牛耳るみたいなことになっていましたから。行き過ぎだと思います。

問 そういう意味ではこれでようやく正常化するということですね。

柳井 これからは正常化したグローバル化とはどういうものかを考えて、世界の秩序をつくることだと思います。

問 どういう秩序をつくるのがいいと思われますか。

柳井 反グローバル化にならないようにすることです。既にグローバル化しているのは事実ですし、グローバル化しないと人々の生活は豊かにできない。また規制しても駄目。それより秩序とか倫理を植え付けることが大切です。

問 企業人の倫理観が一番大切になってくるということですね。

柳井 企業人だけではなく、あらゆる人、特に政治家、官僚など権力を持っている人のすべてに必要なことですね。世界経済全体のことを考えた倫理観、道徳観が求められます。

今こそM&Aのビッグチャンス

問 この厳しい中で御社の08年8月期は売上高11・7%増、営業利益34・7%増、ユニクロの11月の国内既存店売上高は32%増と快調ですね。

柳井 いつも言っているのですが、周りがどうであれ、経営者は増収増益を目指さなくては駄目だと思います。経営者がこういう世の中だから減収減益でも仕方がないと思ったら最悪の事態になってしまう。

問 すばらしい成績だと思いますが、柳井さんはそれでも満足していないと。

柳井 成長するということは収益が20%アップ以上ないと成長しているといえない。それぐらい企業というのはダイナミックなものだと思います。

問 ダイナミックに成長していく上で必要なことはなんですか。

柳井 成長できる背景、仕組みづくりが重要です。

問 2年後の2010年の1兆円企業目標をどのように達成しますか。

柳井 時期はともあれ2、3000億円の企業をひとつ買えば達成できます。

問 M&Aについていくつか候補は挙がっているのですか。

柳井 M&Aについてはいつも検討しています。2010年1兆円企業を達成するとしたらかなり大きなM&Aが必要です。今はチャンスですね。

問 日本電産の永守重信社長も投機家から値段を吊り上げられないので、今はチャンスだといっておられました。

柳井 そうですね。今は事業で収益を上げられる人しか買えないのでビックチャンスです。国内外を問わずいいところがあれば買いたいと考えています。今は歴史の変わり目。アパレル・小売は再編成しないともたないと思います。

問 店舗展開もこれからダイナミックにやっていかれるということですが。

柳井 今、国内は770店で大型店は50店ですが、3年をメドに大型店を200店体制にしたい。海外については中国、韓国で出店を加速し、成長地域のアジアでナンバーワンになりたい。

問 中国が主戦場になると思いますが、中国の戦略はどうですか。

柳井 今、中国に17店舗、香港に10店舗ですが、中国に関しては毎年売上倍増、大型店を100店舗出店できるようにしたいと考えています。既に日本人をかなり派遣していますが、本社の人間の三分の一は中国に移さないと駄目だと思います。

問 柳井さん自身も中国に行かれることが多いのですか。

柳井 私は中国にはあまり行きません。M&Aのことがありますので出張は欧米が多いですね。1泊3日とか2泊4日という日程ですが、2?3週間に一回は海外に出かけています。

成績不振は企業改革のチャンスと捉える

問 欧米の現状はいかがですか。ニューヨークは旗艦店が軌道にのってきたと聞いていますが。

柳井 ニューヨークの我々の商売はまあまあです。ここはブランディングのためにありますから。我々が欧米で本格的にやりたいのはM&Aをしてユニクロのプラットホームづくりをすることです。ユニクロ以外の商売でコントワー・デ・コトニエやプリンセスタム・タムのようなブランド事業をもっと拡大していきたいと思っていますので、そうした調査等を進めています。

問 コントワー・デ・コトニエやプリンセスタム・タムの状況はいかがですか。

柳井 市場が悪くなっていますので、あまりよくない。特に上のプライスゾーンがよくないですね。でもよくないということを企業改革のチャンスと考え、改革していきたい。

問 そういう意味ではベーシックを手がけている御社は不況に大きく左右されることはないと思いますが。

柳井 我々にとってはいい時代かもしれません。このような時代は我々のようなところに買いにきていただけると思いますので。

問 生産体制も中国一辺倒ではなく、バングラデシュなど他のアジアでの生産体制を強化するということですが。

柳井 我々のグローバル化に合わせて、中国以外に生産地を拡大したいと考えています。中国からシフトするというのではなく、バングラデシュ、カンボジア、ベトナムを候補に挙げています。縫製業を国の産業として育成しようとしているバングラデシュがいいですね。政府が大変協力的で、労働者の質も高く、極貧困から社会を変えようという意識が高い。賃金も中国の三分の一とか五分の一というところが魅力的です。

問 将来的には生産地を中国から移すということですか。

柳井 移すということではありません。今は中国以上にメリットのある国はありません。日本から近いし、経営者の質も高いし、工場は最新鋭です。従って中国の工場の人たちと一緒に、彼らの海外進出を後押しする形で第三国に進出したいと考えています。将来的には中国が三分の二で、三分の一を他の国で生産したい。

新素材で他を圧倒する

問 保温肌着「ヒートテック」が大変人気と聞いています。

柳井 大変よく売れています。たぶん今年も足りないと思います。ヒートテックは東レとともにずっと素材開発してきたものです。昨年2000万枚を販売しましたが、今年は2800万枚の販売計画をたてています。既に売り切れの店もでているほどです。

問「ヒートテック」は下着ですよね。なぜ人気があるのでしょうか。

柳井「ヒートテック」は下着ではありますがアウターとしても着られます。特にワンピースの下に着るなど新しい着こなしとしても使えるところが受けていると思います。

問 その他に開発している素材はどんなものがありますか。

柳井 汗を吸い乾きやすいスポーツウェアの開発や、08年夏はブラジャーと下着を一体化した「ブラトップ」が大変好評でした。また透けない白パンツや、白っぽくならない黒いパンツなどいろいろあります。

問 素材開発については東レだけでなく他の企業とも考えていますか。

柳井 もちろん考えていますが、今は東レを主にやっています。こうした素材開発は基礎研究が重要ですが、世界でも東レが一番だと思っています。

H&M進出で注目度が上昇

問 ところで2008年秋に銀座にH&M(へネス・アンド・モーリッツ)が来日し大変な人気となっています。どのような影響がありますか。

柳井 悪い面はありません。業界内のシェアばかり考えずに、業界に注目が集まることの方が大切です。相乗効果が出ており、わが社も大変好調です。消費不振の今、まずは街に出て買い物をしてもらうことが大切です。

問 H&Mから学ぶことはありますか、また商品についてはどうですか。

柳井 PRというか広報が上手ですね。集客が抜群です。マスコミを通じて自分たちが何をやろうとしているかを、きちんと伝えている。我々も海外に出店するときは参考にしたいと思います。商品についてはファッション性を取り入れているところはすごいと思いますが、H&Mと同じようなものを作っても仕方がない。我々は全く新しいものを作っていきたいと考えています。

問 御社の宣伝もユニークですばらしいと思います。特にウェブサービスのUNIQLOCK(ユニクロック)は見ているだけで面白いですね。

柳井 あれは一年半前からやっていますが世界で1億人に見られています。コンピューターのスクリーンセイバーのようにも活用できますが、そうすればわが社の宣伝が自動的に見ていただける。今までにない画期的な宣伝方法だと思っています。
4件のコメントがあります
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    はんちくさん
    2009/1/15 10:50
     「いい傾向」というより、「ようやく、まともな市場化へのプロセスに入った」

     という表現のほうが合っているかも。

     ユニクロは、ブーム天井打ちに合わせた拡張のしすぎで苦しんでますからね。もう同じ轍は踏まないでしょう。
     

     「成長より、維持が大事」

     だと思います。
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    ケロちゃんさん
    2009/1/15 12:24
    >時期はともあれ2、3000億円の企業をひとつ買えば
     達成できます

    どこ、狙ってるんでしょうね?

    >また透けない白パンツや、白っぽくならない黒いパンツな
     どいろいろあります

    ぜひ、ぜひ、開発、成功して欲しいでつ。
    夏場・・・パンツが透けてインナーが見えたらシャレになりません
    (^ワ^)
    黒パンも、だんだん、白っぽくなるんですよね~。
    特に膝のところ。
    これ、綿パンの宿命だってあきらめてますが。
    開発されて、値頃なら、絶対に買いまくります。ww
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    ひさっちさん
    2009/1/15 15:40
    はんちくさん こんにちわ

    > 「いい傾向」というより、「ようやく、まともな市場化へのプロセスに入った」
     という表現のほうが合っているかも。

    その通りかもしれませんね。
    今までのマネーゲーム主体というのが異常だったのかもしれません。
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    ひさっちさん
    2009/1/15 15:44
    ケロちゃん こんにちわ

    マジで超キャッシュリッチだし、2、3千億円規模の会社の買収ありえそうな気もしますね。

    ユニクロって次から次へ製品開発にも余念がありませんね。
    マジでやってくれそうな気がします。

    白っぽくならない黒いパンツなら私も欲しいですよ。
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