木下 晃伸さんのブログ
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【投資脳のつくり方】企業倒産1万5000件超、昨年5年ぶり
2009年1月14日(水)本日お伝えする内容はこちら!
1.【日本】企業倒産1万5000件超、昨年5年ぶり
2.【日本】業績不安株価の重しに、7割が2ケタ減益予想
3.【日本】 12月の街角景気、3カ月連続で過去最低更新
1.【日本】企業倒産1万5000件超、昨年5年ぶり
(出所)2009年1月14日付日本経済新聞朝刊7面より
●倒産が増加、世相は暗い
●内容は“資金繰り”
●金融機関の融資姿勢で決まる
民間調査会社の東京商工リサーチが13日発表した2008年の全国企業倒産状況
によると、負債総額1000万円以上の倒産は前年比11%増の1万5646件と5年ぶ
りの高水準となった。上場企業の倒産は前年比5.5倍の33社で戦後最多。
負債総額は2.1倍の12兆2900億円と6年ぶりの規模。負債10億円以上の大型倒
産は22.9%増の942件だった。負債額が最も大きかったのは米リーマン・ブラ
ザーズの日本法人で3兆4000億円。関連3社を含めると約4兆7000億円と全体の
4割を占めたが、この4社を除いても32%増えた。
上場企業の倒産は8月のアーバンコーポレイションや10月のニューシティ・レ
ジデンス投資法人など、年後半に集中した。33社のうち25社を建設・不動産
部門が占めており、市況の悪化や金融危機の影響で外資系金融機関などが同
部門から資金を引き揚げたのが要因の一つとなった。
乱暴に言えば、“資金繰り”の問題は、金融機関の融資姿勢如何によって決
まる。景気が悪いと言いながらも、金融機関の融資が改善することで、倒産
件数、金額も減少していく。一方で、金融機関側としては、入口を絞ること
は至極当然の経営判断だ。このバランスが戻ってくるのは、金融機関の財務
体力が健全になるほかない。
しかし、早ければ2010年3月期は、今年度の資本増強が奏功し始める可能性は
ある。業績改善する可能性も高い。悲観するよりもむしろ、反発する可能性
を見逃してしまうことを怖がらなければならない。
2.【日本】業績不安株価の重しに、7割が2ケタ減益予想
(出所)2009年1月14日付日本経済新聞朝刊19面より
●経常利益を多くの投資家は2桁減益と予想
●注目しなければならないのは、当期純利益
●全体の業績悪化と、改善する産業と分けて考える
東京株式市場で企業業績に対する不安が高まっている。QUICKによれば、
機関投資家などの株式担当者のうち2009年度に2ケタ減益になると予想する人
は7割に達する。
QUICKが13日に発表した「QSS株式月次調査」(調査期間は6―8日)
では、09年度の上場企業の経常利益が08年度比でどの程度減ると予想してい
るか、機関投資家や証券会社の株式担当者に聞き、回答をまとめた。この設
問に答えた184人のうち、「10―20%減益」を予想したのは48%、「20%以上
の減益」は22%だった。
私も企業に所属しているときはこの質問に答えていたが、実はこの質問、
“あまり意味がない”。というのは、来期最も注意しなければならないのは、
経常利益ではなく、“当期純利益”だ。来期は、今期以上にリストラモード
が盛んになる。しかし、リストラは本業の利益を回復させる可能性はあるが、
同額以上の損失を一時的に計上しなければならない。たとえば、早期退職割
増金や工場の除却損などだ。
これは、経常利益の下、当期純利益にヒットする特別損失に計上される。来
期の減益幅は、この当期純利益を予想しなければならない。では、来期どの
程度の減益になるのか。全体でいえば、やはり3割程度は覚悟しておかなけれ
ばならないだろう。しかし、その中心は、トヨタ自動車を中心とした自動車
や家電だ。一方、金融機関等は株価が底堅く推移するという前提にたてば改
善する可能性も高い。分析の深さが問われている。
3.【日本】 12月の街角景気、3カ月連続で過去最低更新
(出所) 2009年1月14日付日経速報ニュースより
●派遣切り問題など、街角景気は過去最低を更新
●株価はすでに環境悪化を織り込んでいる
●本格化する小売決算からヒントを探る
内閣府が13日発表した2008年12月の景気ウオッチャー調査によると、景気の
実感を示す「街角景気」の現状判断指数は前月に比べ5.1ポイント低い15.9と
なり、調査を始めた00年1月以来の過去最低を3カ月連続で更新した。ボーナ
スの減少などで個人消費が低迷したほか、求人減で雇用が落ち込んだことな
どが響いた。
減少幅も昨年10月に次ぐ過去2番目の大きさで、景況感は急速に悪化している。
内閣府は基調判断を「一段と厳しさを増している」とした。同指数は昨年4月
以降9カ月連続で落ち込んでいる。
調査は小売店主やタクシー運転手ら約2000人に、現状と見通しを聞いたもの。
調査期間は08年12月25日から31日。
たしかに足元の環境は悪い。しかし、株価はどうか。たとえば、 「クリスマ
ス商戦は前年に比べ2ケタ減」(東北・百貨店)など最も影響を受けている百
貨店大手の高島屋など、環境が悪化しているここ3か月で株価はむしろ底値を
固める動きとなっている。
※(株)高島屋 【8233】
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=8233&d=t
環境悪化はすでに株価に織り込まれている可能性がある。小売業界はこれか
ら本格的に決算発表シーズンを迎える。反発する可能性を調査するため、注
目しておく必要がある。
(文責:木下 晃伸 きのした てるのぶ)
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