今回の自民党惨敗の選挙を学者が討論しました。そこにはこうあります。個人の生活レベルの衰退が、今回の自民党、惨敗の大きな原因ではないかという。
世界ではどこも大体において、与党が苦戦している。そこには共通する要因がある。それはイデオロギー的な左右というより、上下の階層的な不満が出ているのである。
個人的には、自民党が、私腹ばかり肥やさないで、日本の経済成長をしっかりしたものにすれば、こんな負け方はしなかったと思う。政党が、右か左かというより、国民の生活苦が、自民党の負けた原因だと思う。
そこで、中道路線の立憲民主党が躍進したのは、納得できる。
自民党が、依然として裏金にこだわり、私腹を肥やす態度では、来年の参議院選挙でも大敗するのは間違いない。このことに、自民党議員は冷静に判断しなければならない。
「自民党の国民不在の自民党議員のための政治」では、自民党は負ける。国民はそれ程、馬鹿ではない。やはり政治を見ているのである。
(以下はネットからです)
苦しい生活、裏金が怒りの引き金 2000万円で燃料投下 衆院選座談会
10/30(水) 5:30配信毎日新聞
27日投開票された第50回衆院選は、自民党が派閥裏金事件の影響を受けて大敗し、公明党を合わせた与党で過半数(233議席)に届かなかった。政治状況は一気に不安定化している。谷口尚子・慶応大教授、中北浩爾・中央大教授、遠藤乾・東京大教授の3氏が語り合った。(全3回の第1回)【司会は田中成之政治部長、写真・宮本明登】
――選挙結果を大きく左右した裏金問題についてどのように考えますか。
谷口氏 有権者は汚職やスキャンダルではなく、自分の暮らし向きを好転させる政治かどうかに関心を持つ人が多い。円安で物価が上がり続け、生活の苦しさや経済への不満が底流にあるところに、裏金問題が起きた。有権者が大変な思いをしているのに、自民党は政治資金収支報告書の不記載に過ぎないという説明に終始し、相変わらずお金の問題について緊張感がないという印象を与えた。生活が苦しいからこそ、お金がらみのスキャンダルが怒りのトリガー(引き金)になったのではないか。
中北氏 今回は不記載だというのは永田町の論理としてはあったし、一部は理がある。ただ、不記載は法律違反だという分かりやすい構図があり、これが非常に悪いことだということを誰も否定できない。
衆院選前に裏金議員に対する公認問題が浮上して、最後にはダメ押しのように、党本部が非公認候補側へ2000万円を支給した問題が出てきた。
国家と個人の間にある中間団体や政党組織の衰退が日本政治の底流にあり、それが裏金問題にも関わっている。有権者が政党や政治家に信頼を寄せにくくなっている。政党政治離れが負のスパイラルのように進んでいるのではないか。「政治とカネ」の問題をクリーンにすれば政治不信は収まるという見方があるが、私はもう少し構造的な原因があるとみている。
――欧米でもエスタブリッシュメント(支配階級)への反感が選挙結果につながっています。それが日本に波及してきたのでしょうか。
遠藤氏 結構、同時代的な現象かなと思う。どこも大体、与党が苦戦している。そこには共通する要因があると思う。イデオロギー的な左右というより、上下の階層的な不満が出やすくなっているのではないか。