ドル建て日経平均は堅調

31日のNYダウは8876.39(+108.00)と続伸。水準としては転換線8662、 雲の下限8452を上抜け、雲の中にはいってきた。MACDはゼロすれすれだがRCIは反発しており、目先もう少し戻してゆくことが期待される。週足も転換線8551を上に抜け、MACDはマイナスながら12月半ばにシグナルを抜けRCIも上昇。週足のボリンジャーは急速に狭まっており、転換を示唆している。しばらくは中期的な反発局面がきそうな感じである。

もっとも実体経済の指標はあいかわらず悪い。原油価格が少し上昇しているものの、これは地政学的リスクによるもの。失業保険申請件数が予想を下回ったようだが、季節要因ではないかといわれている。市場の戻りの勢いはオバマ政権への期待にもとづくものと思われる。中期的に自律反発の局面に入れれば、日足の雲の上限9495や週足の基準線9658手前までは戻してくる可能性がある。だがそれから先は、実体経済に曙光がみえてこないと再び下落しかねない。オバマ新大統領の就任から1月、せいぜい2月くらいで、当面の戻りは息切れすることも考えられよう。

東京はお正月なので、年頭にあたって、今年の市場を占うため、普段は見ていない日経平均ドル換算の動きを分析してみよう。外国人投資家が6割を占めるという東京の株式市場では、海外の投資家がみているのは、日経平均そのものではなく、ドル円レートをはさんだ日経平均のドル換算であると考えるほうが適当かもしれない。

さて、この日経平均ドル換算をみてみると、日経平均とはかなり形が違う。まず日足では、日経平均自体は、雲の中に突っ込んだところであったが、なんとドル換算ではすでに雲の上限96.1ドルを抜きさって、98ドルをつけている。転換線も96.4で雲を上に抜けており、基準線は雲の中、遅行線も雲に突っ込んでいる。MACDも12月初頭にすでにゼロラインを上に抜けていて、シグナルも12月中旬に後をおってゼロラインを突破、むしろ今は一服の様相である。ボリンジャーでみると、プラスσの上にあり、TPも上向き。

週足では、日経平均はまだ転換線も回復できていないが、ドル換算では、すでに転換線89ドルをを大きく越えて基準線100.87ドルに迫りつつある。基準線はまだ下向きだが転換線は上向き。さらに週足MACDはシグナルを12月半ばに上に抜けて上昇中。RCIは天井近くにまできているが、週足ボリンジャーはTPはまだ下向きだが、急速にバンドが狭まっている中、プラスσから2σに向けて上昇しているので、上への転換が示唆されている。

月足はまださすがに好転していないが、ドル換算で見ると、かなり上昇の勢いをかんじる形になっている。気をつけなければならないのは、海外の投資家は、これをNYダウのチャートとくらべてみるはずだということだ。雲の下で停滞してきたアメリカ市場に比べて、ドルでみた日経平均は、すでに底をつけて雲も抜けて目先上昇局面入りしているようにみえるといわねばならない。さらに通貨が大きく下落しているロンドン市場と東京をドル建てで比べてみれば、円が高くなっている日本市場の優位は、一層際立ってくるはずだ。

ドル建てで見た場合、当然のことだが、NYと東京の株価が平行して下げていても、円高がすすめば、相対的には東京の株価がNYに比べて下げ渋るようにみえる。株価の下げより、円高の変動幅が大きければ、ドル建てでは見かけ上上昇しているようにみえることすらあるわけで、東京は、ドル建てのパフォーマンスと円高による輸出産業の減益とのつなひきとなっているともいえるかもしれない。
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