1兆2000億円の「配当再投資」による買い需要を先回り買い

優利加さん
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昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -293.47 @41,914.75, NASDAQ +7.67 @18,082.20, S&P500 -10.67 @5,722.26)。ドル円為替レートは144円台後半の前日比円安ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は上昇した。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,580に対して、下落銘柄数は56となった。騰落レシオは113.76%。東証プライムの売買代金は5兆2377億円。

TOPIX +71 @2,721
日経平均 +1,055 @38,926円

米国では、主要3株価指数が相次いで最高値更新を続けているため高値警戒感が漂う中、週内に新規失業保険申請件数、8月個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控えていることで、様子見ムードが支配的となり、利益確定売りが優勢となってきた。

中国当局による景気刺激策が強気材料として注目を集めている。米国の利下げが中国の景気刺激策を決断させた背景にある。人民元安を心配せずに利下げ出来るからである。日本以外の多くのにも当てはまる。

本日9月26日の東京市場では、円相場が1ドル=145円台まで円安ドル高方向に振れたため、自動車をはじめとする輸出関連銘柄が買われたが、米国での半導体関連銘柄が上げたことを受けて、東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連銘柄も上げた。また、今日は3月期決算企業の中間配当の権利付き最終売買日だったため、配当の権利取りを狙う個人投資家の買いがたくさん入ったと見られる。さらに、機関投資家は中間配当を受け取るまでの期間、株価指数と実際の運用成績とのズレ(トラッキング・エラー)を最小限に抑えるため受け取り配当金分を先物で買っておく操作をする。そのため株価は上げ易くなる。この「配当再投資」の額は1兆2000億円を超えると見積もられており、その買いを見越して海外投資家が先回りして大量に買ったと見られる。

米FRBが利下げを開始したのに円安ドル高方向に動くことが多いが、それは足元の利下げが「予防的利下げ」であるからだ。経験則では、予防的利下げは金利低下につながりにくい。過去数十年で米FRBが予防的利下げに踏み切ったのは1995年、1998年、2019年の3回あったが、いずれも米長期金利は利下げ後でもほとんど下がらず、寧ろ上がる時すらあった。今回も今のところその前例通りの動きをしているため、日米金利差が縮小せず、円安ドル高方向に基調として動いていない。これは日本株にとっては円高ドル安という逆風がほとんど吹かないということである。

日経平均の日足チャートを見ると、当面の目標である9月2日の戻り高値@39,080円に迫るところまで上昇して来た。ただ、明日は配当権利落ちがあるので300円弱は悪材料がなくても下げるはずだ。

33業種中すべての業種が上げた。上昇率トップ5は、その他製品(1位)、金属製品(2位)、電気機器(3位)、機械(4位)、ガラス・土石(5位)となった。

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