5年ほど前にも、同じ症状が出現し、
そのときには救急車を呼んだ。
呼吸も苦しくなって、血圧が急上昇していると感じたからだ。
隊員が到着し、血圧を測ると200mmHgになっていた。
この症状は恐らく、歯か耳から来ており、
このまま病院へ行ってもたらい回しになると思われる。
と隊員は主張し、オイラは放置されてしまった。
当時は、ならば中耳炎だろうと考え、
自費にてアジスロマイシンを購入し飲んだところ、
ビンゴなのであった。
あっという間に、顔の腫れも引き、元に戻った。
あれから5年ほどが経ち、またもや同じ症状に見舞われた。
顔は大きく腫れる前に、手持ちのアジスロマイシンを飲んだのだが、
少し改善した程度で、今度は効き目が悪い。
原因を突き止めようと思い、
まずは、行きつけの歯科へ行ってみた。
画像を撮り歯科医の見解は、歯根管が原因ではないという。
では、耳か?
そう思いながらも放置していたところ、
今度は右側の耳下腺付近に違和感を生じ、
それが首にまで達してきた。
湿布薬を貼ると、楽になる。
やがて、右耳の感覚がなくなってきた。
音もこもったようにしか聞こえなくなってきた。
これは、耳鼻科へ行くしかない。
重い腰を上げて、耳鼻科へ。
年配の女医が、オイラの顔両側の触診、
口内の左右を観察し唾液腺に異常かないか見当をつけ、
両耳の中を器具でのぞき込んだ。
唾液腺が石で詰まって炎症が出ることがあるから調べたが、
異常はなさそう。
アジスロマイシンで効果が出たとのことなので、
感染症があるのは間違いなさそう。
けど、その前に、耳垢を取ります。
女医はそう言って、オイラの右耳に器具を突き刺し、
キリキリと回しだした。
ベリベリっという感じがして痛い。
が、それも一瞬で、急に周りの喧噪がよく聞こえるようになった。
こんなん出ましたけど、
などといって、右耳から出てきたブツをオイラに見せた。
ロウが固まったような円錐形の白いブツが、
槍のような器具に突き刺さり、シャーレに横たわっていた。
長さは1.5cmくらいあるのではないか?
女医が言うに、反復性耳下腺炎と、この耳垢とは別問題だと思うと。
なので、アジスロマイシンの処方箋を切ってくれた。
服用しても改善がなければ、別の抗生剤にするから来るようにと。
*
オイラの感覚では、耳垢がとれてから、音がクリアになっただけでなく
右耳のしびれたような感覚も解消している。
反復性耳下腺炎と思われる不快な症状も、少し改善している。
耳鼻科の女医は、この二つは別問題と切り分けていたが、
同じな可能性もあるかも知れない。
あのように大きな石ころのような耳垢が、長い年月オイラの右耳に潜んでいたのだ。
その圧迫が、周囲の神経や組織に影響を与え続けていたのだ。
しかも、オイラは右耳を下にして寝るのが好きなのだ。
それも、余計に周辺組織を圧迫してきたのだろう。
洗髪をするとやけに耳に水が入るのも、
その耳垢が、小さな腺を大きく開けてしまって、さらには水を導き、そこから感染を起こしていた可能性がある。
いずれにせよ、アジスロマイシンを服用して、
耳下腺炎の不快症状が消えれば、しばらくは大丈夫だろう。