TOPIX -27 @2,742
日経平均 -299円 @38,557円
米国では、5月消費者信頼感指数が予想以上に強かった(102.0>予想96.0)ことと米国債の入札が低調だった。これを受けて、米10年債利回りが前日の4.47%から節目となる4.5%を超えて4.54%へ上昇したことが株式相場の重しとなりダウ工業株30種平均は下げたが、エヌビディア株が大幅続伸してハイテク株全体が勢いづいてナスダックは上昇した。
本日の東京市場では、長期金利(=新発10年物国債の利回り)が続伸して1.070%まで上がり、2011年12月以来、12年5カ月ぶりの高水準となった。日銀が6月の金融政策決定会合で国債買い入れ額を減額するなどの金融政策の正常化を進めるとの見方か強まっている。長期金利上昇は基本的に株安となる。昨日まで堅調な動きだった海運株も売られ、特に金利上昇の影響を強く受ける高PERの銘柄(リクルート、オリエンタルランド、キッコーマン)が売られた。日経平均の下げ幅は一時300円を超えた。
他方、長期金利上昇により収益が上がると期待される三菱UFJ(年初来高値を更新した)などのメガバンク株は上げた一方、長期金利が逆風となる電力、電鉄の一角は売られた。
エヌビディア株が上がればほとんどの半導体関連銘柄が上がる「エヌビディア祭り」は終わり、半導体関連銘柄でも前工程(シリコンウェーハ―に電子回路を描く装置や、切断・研削装置を製造)の企業(例えば信越化学工業)よりも後工程(出荷前に製品に異常がないかどうかを調べる検査装置を製造)の企業(例えばアドバンテスト)の株が上がるように変化してきている。生成AIで使用される広帯域メモリー(HBM)は生産工程で最先端技術の製造装置の要求は少ないが、工程がより多くなり複雑化するため後工程の重要性が増している。そのため、後工程の方が生成AIへの恩恵が大きいと期待されるからである。
日経平均の日足チャートを見ると、ザラバではほぼ水平となっている60日移動平均線まで上昇したがそれが上値抵抗線として機能して押し戻され、上ひげを引いた陰線で終えた。10日移動平均線は上向きで、且つ25日移動平均線も上向きに転じたので、上方向の力は残っているが、長期金利の上昇が株価全体の逆風となっている。
33業種中28業種が下げた。下落率トップ5は、電気・ガス(1位)、海運(2位)、陸運(3位)、その他金融(4位)、ゴム製品(5位)となった。