大きな事をやろうと思えば、目の前の事は、目をつむって、耐え忍ぶという。しかし、凡人には、これが出来ない。
「韓信の股くぐり」かんしんのまたくぐり
大望を抱く者は目前の苦労や恥は、耐え忍ばねばならぬことをいう。中国の前漢の武将・韓信(かんしん)は、若いころ無頼の男にけんかを売られたが、じっとこらえにこらえて相手の股(また)をくぐり、許しを請うたことがある。後年、漢の高祖を助けて天下統一の大事業を成し遂げたという故事にもとづく。
見回せば、「韓信の股くぐり」どころか、些細な事で、腹を立て、人生が、すっかり駄目になることが、多いのでは。
あるいは、欲望のままに、その場限りの行動に出て、その後の人生が、全てだめになる。例えば「女性のスカートの中の盗撮」とか。これで逮捕されて、その後の、生活がすっかり駄目になるニュース。お気をつけてください。
(ウイキより)
韓 信(かん しん)は、中国秦末から前漢初期にかけての武将。劉邦の元で数々の戦いに勝利し、劉邦の覇権を決定付けた。張良・蕭何と共に漢の三傑の一人。
生い立ち
淮陰(現在の江蘇省淮安市淮陰区)の人。貧乏で品行も悪かったために職に就けず、他人の家に上がり込んでは居候するという遊侠無頼の生活に終始していた。こんな有様であったため、淮陰の者はみな韓信を見下していた。とある亭長の家に居候していたが、嫌気がした亭長とその妻は韓信に食事を出さなくなった。
いよいよ当てのなくなった韓信は、数日間何も食べないで放浪し、見かねた老女に数十日間食事を恵まれる有様であった。韓信はその老女に「必ず厚く御礼をする」と言ったが、老女は「あんたが可哀想だからしてあげただけ。お礼なんていいわよ」と語ったという。
ある日のこと、韓信は町の若者に「てめえは背が高く、いつも剣を帯びているが、実際には臆病者に違いない。その剣で俺を刺してみろ。できないならば俺の股をくぐれ」と挑発された。
韓信は黙って若者の股をくぐり、周囲の者は韓信を大いに笑ったという。その韓信は、「恥は一時、志は一生。ここでこいつを切り殺しても何の得もなく、それどころか仇持ちになってしまうだけだ」と冷静に判断していたのである。この出来事は「韓信の股くぐり」として知られることになる。