いたちという動物を、ご存知でしょうか。毛色が茶色で、身体が細長い体長50センチくらいの動物です。
小さい頃、このいたちが家の近くに住んでおりました。これが、時々、にわとり小屋に侵入し、鶏を襲うのです。
けたたましい、鶏の声で、お爺さんは、鶏小屋に行きました。すると、いたちは、逃げていきます。とても速いです。私も、影を、一寸見た程度です。
被害は、鶏が1羽か2羽、死にました。家ではその死んだ鶏を料理して食べました。肉など無い時代です。
このいたちは、小学5年生頃まで、見られました。ある日、学校の下校時、何人かで歩いていると、目の前をさっつと、横切りました。それも、とても速いです。影がさっと見えたくらいです。そのイタチは、篠の生えている中に、逃げて行きました。だいたい、いたちは、竹藪とか篠が生えている所に住みます。当時は、蛇やカエルが、沢山いて、食べ物には困らなかったと、思います。
当時は、竹藪の中には、5メートル歩くと、蛇が1匹いました。そのくらい多かったのです。大体、青大将か、やまかがしです。シマヘビは家の近くでは、見ませんでした。それから、真っ黒な蛇が、裏の川の回りにおりました。よく、青大将の小さい頃は、黒い色だと聞きますが、この蛇はそんな黒ではなく、大きくなっても、全く黒の色でした。新種の蛇だったかもしれません。
この蛇も、カエルや野ネズミが、沢山いたので、餌には、困らなかったのでしょう。
それと、今では、農薬で、ほとんど絶滅してしまいましたが、「蛍」が、たくさんいました。この蛍は幼虫の頃、水の中でも、わずかな光を出します。
その蛍の数は、其れこそ、数十万という数で、7月中旬では、田んぼが、蛍の光で、明るくなる、黄色のじゅうたんの様でした。
タニシや,どじょうも、沢山いました。今、時々スーパーでたにしが出ると、懐かしくて、買って、湯でて食べます。味はサザエに似た味です。
その他、トンボも沢山いました。しおからトンボや、ギンヤンマは、これも、沢山いました。
4歳の頃、「竹ぼうき」でオニヤンマを捕まえました。こんな小さな子供が、オニヤンマを捕まえたので、お婆さんは驚きましたが、「逃がしてやりな」と言い、逃がしました。お婆さんは、生き物を大切にする人だったです。
蝉も沢山いて、今では、考えられないくらい、其れこそ、うるさく鳴きました。
裏の竹やぶには、蜘蛛が沢山いて、時々蝉が、蜘蛛の巣に、ひっかかりました。夏は、竹藪を歩くのに、蜘蛛の巣と、蛇に注意して歩きました。それでも、大抵、蜘蛛の巣が、顔に付き、取るのに大変でした。また、夏は、やぶ蚊も、たくさん、いました。小さい頃は自然豊かな中で、育ちました。